すきとは【wrwrd!】 (ページ13)

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残業【htrn】ページ13

「宮下さん、仕事終わりました？」

呑気に喋ってる後輩に声をかける。

「だからここやり方わかんないんですってば！」

嘘つけ喋ってたろ今

「だったら一声かけてくれれば良かったのに…」

「……ﾋｯｸ…ﾋｯｸ」

あーあーあー、これはまずいっすね

「A先輩最低！！」

ほかの後輩もそれに便乗していく。

「ほんとですよ！！いつもそうやって私たちに色々押し付けてきて！！」

「なんなんですか？！少しくらい反省してくださいよ！！」

違うじゃん。お前らが仕事やんないからに決まってんじゃん。

「……分かりました。残りの仕事は私がやっておくので帰っていいですよ」

するとさんざん文句を言っていた後輩達パァっと笑顔になり、スキップをしながら帰っていく。
この一言を待ってたんだろお前らは。

今日も残業だー(白目)

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ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

パソコンのタイピング音だけが響く。

もうこの社内に残ってるのは私だけ。

1人じゃ終わる気がしない…。

「……はぁ」

なんでこんなに後輩に嫌われちゃうんだろうな…
私が悩んでいると後ろから声が聞こえた

「Aさん、そんな大きなため息つくと幸せが逃げちゃいますよ！」

「わ！……ひとらんさんでしたか」

ひとらんさん。同期だけどあんまり話したことない。けど、後輩からも先輩からも好かれてるし、仕事もできる。真逆の人。

「今日宮下さんに仕事押し付けられてませんでした？」

見られてたんかい。まぁいいけど。

「ええ、まぁ。でも、私が悪いんで」

無理して笑うと、ひとらんさんは私の頬を掴む

「ひひゃいでひゅ(痛いです)」

そして、真剣な顔になって

「俺、好きな子が苦しんでるとこ見たくないんです。だからこうやって手伝える機会伺ってたんだよ。」

と言う。
好きな子が苦しんでるとこって他にも残業してる人いるってこと？

「へ？」

「……ちなみに残業してるのは俺とAさんだけなんで」

「早く終わらせましょ？俺も手伝うんで」

「あとでしっかり言いますよ。だから」

この人はずるい。かっこいいことばっかしてくる

「Aちゃんも返事考えといてね」

そうやって耳元で囁かないでください。
惚れちゃうでしょ。