荒野の企み、迷う狼-3- ページ7
No side
ジャック「だからって、あんな闇討ちみてぇな卑怯な真似をするのは、間違ってる!」
レオナ「間違ってる?ジャック……俺はな、お前たち寮生のことを一番に考えてやってるんだぜ?マレウスを打ち破り、今までの雪辱を果たせば、世間のサバナクロー寮への評価は回復するだろう」
レオナは諭すような、言い聞かせるような声色でジャックに話す。
レオナ「今年勝てなければ、マレウスは殿堂入り選手になることが決まってる。これが最後のチャンスなんだ。それをテメェは安い正義感で潰すって?お前は先輩達の未来を台無しにしたいのか?」
ジャック「そ、それは……!」
自分の行動一つで先輩達の未来を潰す事になる、ジャックは今まで見えなかった現実を目の前にして何も言えない。
レオナ「頭を使って獲物を追い込むのは狩りの基本だ。卑怯でもなんでもねぇ」
ラギー「シシシッ!この学園は弱肉強食。イイコちゃんなだけじゃ生き残れねぇってことッスよ」
ジャック「寮長、あんたが本気を出せば十分ディアソムニア寮と戦えるはずだ!3年前のあんたのプレイ、今でも覚えてる。俺は……っ!」
レオナ「新入りが知った口を利くんじゃねぇ!本気を出せ?馬鹿馬鹿しい。本気になったところで、何も変わらねえよ……失せろ、明日の朝日が拝みたいならな」
ジャック「………」
ラギー「アイツ、危険ッスね。オレやっちまいましょうか?」
レオナ「まぁ、待て。どうせアイツがクロウリーにチクッたところで証拠は何も無い。それに、アイツの能力は潰すには惜しい。動向だけしっかり見張っておけ」
ラギー「うぃッス」
レオナに頭を下げ、ラギーは自分の部屋に戻って行った。
レオナ「……ッチ、あの1年防……兄貴みてぇなこと言いやがって」
誰もいなくなった部屋に、レオナの独白が虚しく響いた。
インクが滴り落ちる、誰にも知られず、魔法石を汚して……
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作者名:いもけんぴ星人 | 作成日時:2021年4月12日 20時