憧れとは本人にとっての最上の苦痛を与える毒 ページ35
ブッチ先輩の腕のひび割れも何とか治まってきた所で、キングスカラー先輩の怒号が聞こえてきた。
レオナ「クソが……っ!ライオンであるこの俺に首輪だと……!?ジャック!テメェ変身薬なんてご禁制の魔法薬どこで手に入れた?」
ジャック「〖
レオナ「は……魔法で本物の犬ッコロになれるって?そいつぁユニークだ。本当にな!」
ジャック「レオナ先輩……俺は……俺は!あんたに憧れてこの学園を目指した!俺の憧れたあんたはどこに行っちまったんだ!?」
レオナ「勝手に俺に夢見てんじゃねぇ……うぜぇな……」
キングスカラー先輩のその言葉に、私は不意にある人の言葉を思い出した。
"憧れと言う感情は、本人にとって最上の苦痛を与える毒でしかない。
羨望の眼差し、憧れているからこその助言や思い、それらは本人からしたら自分は憧れられる様な存在ではない、矮小な存在だと思わせる材料でしかない。
その言葉や眼差しが本人の心に蓄積されて行き、やがて毒となる。知らず知らずのうちに、本人に本人にしか効かない毒を盛っていると自覚した方がいいだろう。
思い切って、休暇を取ってはどうだ?その方が互いにいいんじゃないか?デグレチャフ准尉"
『……今になって、レルゲン少佐の言葉が思い出されるなんてな……あ〜、あの時休暇を取っておけばよかったかもな……』
つい口をついて出た言葉は、誰にも聞かれることはなく空に消えた。
リドル「ボクも人のことを言えた義理ではないけどね。今のキミは見るに堪えない。謹慎部屋に入って、少し頭を冷やすといい!」
レオナ「……お前らに何がわかる?兄貴みてぇに俺に説教たれてんじゃねェよ……」
キングスカラー先輩が苦痛に満ちた声で言葉を絞り出した、その言葉に私たちは何も言えずにただじっと彼を見つめるしかできなかった。
リリア「フン。お主の様な男には、王冠よりその首輪が似合いじゃ。サバンナの王者のライオンが聞いて呆れるわ」
ただ1人を除いて───
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作者名:いもけんぴ星人 | 作成日時:2021年4月12日 20時