真夜中の訪問者 ページ3
ユウside
グリム「うぅ〜ん……ムニャムニャ……見たかぁ、オレ様のスーパーシュートを……」
深夜、月明かりが神々しく窓から差し込む午前1時頃に同居人の寝言で叩き起されてしまった。
ユウ「……おっきい寝言……夜風に当たってこよっかな……」
同居人を起こさないように、細心の注意をはらいながら寮の部屋を出る。
ユリア「ユウさん」
ユウ「うわっ……びっくりした、どうしたのユリアちゃん」
ユリア「それはこちらのセリフです。どうしたのです、こんな夜更けに」
ユウ「ちょっと目が覚めちゃったから、夜風にでも当たろうと思ってね。ユリアちゃんもどう?」
ヨハンナには申し訳ないけど、少しだけユリアちゃんを貸してもらおう。
若干建付けが悪いオンボロ寮の玄関ドアを開け、庭先は昼間とは少しだけ違う様相を呈していた。
ユウ「……いつ元の世界に戻れるのかな」
ユリア「ユウさん……」
ユリアちゃんが小さな手で私の手をそっと握ってくれたと同時に、庭の端の方でガサガサと音が聞こえた。
角を持つ男「……ん?そこにいるのは誰だ?」
ユウ「ゆ、幽霊?」
角を持つ男「これは驚いた。お前、人の子か」
《黄緑の腕章……生徒だよね?どこの寮だったっけ……》
考え事をしていると、彼は私の腕にしがみついているユリアちゃんの姿を確認した様で意外そうに呟いた。
角を持つ男「おや?
ユウ「ウェアウルフ?」
角を持つ男「"人狼"とも言う、所謂ヒトになる事が出来る狼族を指す。しかし、ウェアウルフは総じて人の子に対して警戒心が高い生き物だ、どうやってそこまで懐かせたのか、差し支えなければ教えてくれないか?」
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作者名:いもけんぴ星人 | 作成日時:2021年4月12日 20時