89話 ページ48
特に、ゴール前でシュートを受け止める円堂の消耗は凄まじく、他のメンバー以上にボロボロ。それを見下す帝国の選手達は、全員が口元に嫌な笑みを浮かべている
貴女｢(このままじゃ……あの子たち、確実に潰れちゃう……)｣
Aは拳をギリギリという音が鳴るぐらいに、握りしめ帝国の選手達を睨む
あくまで、これはまだ前半だ。だというのに、この状態では後半はとてもじゃないが持ちそうにない……。雷門の全滅はもはや時間の問題……帝国学園は情け容赦のないチームなのだから……
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その後も帝国の猛攻撃は続き……
ピィーーーーーッ！
ついに前半の終わりを知らせるホイッスルが鳴った。この時点で得点は10−0
角馬｢ここでホイッスルゥゥ！雷門中学、何も出来ないまま10−0で前半が終了！｣
前半が終了した事で、選手達が各々のベンチに戻っていくが……
秋｢みんな……｣
音無｢喋る元気すらないみたい……｣
雷門イレブンが既にボロボロなのに対し、帝国イレブンは誰一人として息が乱れていない
風丸｢どうなってんだ、あいつら……誰一人息が乱れてないぜ｣
松野｢そりゃあそうさ……奴ら走ってないからね｣
そう、帝国イレブンは走る事もなく、彼らをここまで疲弊させたのだ
少林寺｢僕ら……ずっと遊ばれてるって感じですよ……｣
チーム内に諦めの色が漂い始める中、円堂はまだ諦めていない
円堂｢クソッ！このまま終わってたまるか！！ 後半は奴らを走らせて消耗させるんだ！！｣
栗松｢消耗って……ムリでヤンスよ。もうヘロヘロでヤンスから……｣
宍戸｢……俺ももう走れない……｣
円堂｢なんだなんだ！どうした！？まだ前半が終わったばかりじゃないか！！｣
壁山｢後半もやるんスかぁ……？やるまでもないっスよ……｣
宍戸｢やっぱりこの試合、ムチャにも程があったんですよ……｣
円堂｢何言ってるんだ！まだやるぞ！！勝利の女神がどっちに微笑むかなんて最後までやってみなくちゃ分からないじゃないか！そうだろ！なぁ、みんな！｣
座り込んで弱音を吐くメンバーに、尚も声をかけ鼓舞する円堂。それを黙って見ていたAは、無言でベンチから立ち上がり、部員達の元へと歩み寄る
秋｢Aちゃん……？｣
貴女｢円堂くんの言う通りです。この日の為に頑張って練習してきたじゃないですか。それをここで……こんなところで諦めるおつもりですか？｣
染岡｢そうは言ってもよ……｣
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作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
