82話 ページ41
貴女｢(あれが帝国学園サッカー部のキャプテン、鬼道有人……)｣
円堂｢雷門中サッカー部のキャプテン、円堂守です。練習試合の申し込み、ありがとうございます！｣
鬼道は挨拶をしに前に出た円堂を無視し、握手をスルーすると
鬼道｢初めてのグラウンドなんでね。ウォーミングアップしてもいいか｣
そう言ってウォーミングアップを始めようとする。円堂がOKを出した為、帝国学園サッカー部の面々は、半分のコートを使用し、ウォーミングアップを始めた
円堂｢なんだ！？｣
半田｢消えた！？｣
が……
宍戸｢お、オイオイ……なんだよあの動き……｣
染岡｢……あんな、威力…すんのかよ……｣
その素早いパス回しやボールさばきに、雷門中サッカー部は早くも怯み始めている。そんな中、鬼道が合図を出し、パスを回して円堂に向かってシュートを放つ
円堂｢っ……！｣
なんとか止められたものの……
栗松／少林寺｢｢キャプテン！｣｣
染岡｢円堂！｣
ノーマルシュートを止めるだけでも精一杯なのだ。円堂が身につけているグローブからはジューっと焼ける音が……
円堂｢面白くなってきたぜ！｣
何故か一人燃えている円堂だが、もう周りはお通夜状態。他の部員は更に怖気付いているのだが……その中でただ一人、表情一つ動かす事なく、ただその光景を見つめている者がいた。それはAだ
貴女｢(……遅い)｣
今の雷門中サッカー部から見れば凄いスピードで動いたり、ボールさばきが早いように見えている帝国学園だが、Aの目には止まって見えるように遅い
貴女｢(ウォーミングアップだから本気は出ていないにしろ、これならいける)｣
誰にも見られないよう密かに微笑んだA。そんな彼女を、帝国のバスの上に設置された椅子から眺めている男がいた。帝国学園の総帥、影山零治
影山｢……ほう、女か｣
長い黒髪をなびかせる少女に何かを感じたらしい影山は、妖しげに口元を歪ませる
影山｢フッ、面白い事が起きそうだ｣
その呟きに気付いた者は誰もいない……と思いきや
貴女｢(面白いこと、ね……)｣
影山の視線に気付いたAが、読心術でその呟きを読み取っていた
貴女｢(だったらお望み通り、起こしてあげるわよ。��面白いこと��という名の奇跡をね)｣
辺見｢女が試合に出るのか｣
その言葉に思わず振り向くと、ウォーミングアップを終えた帝国学園の選手数人が、Aの方を見ていた
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作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
