81話 ページ40
貴女｢(当日ギリギリで11人……。念の為、せめてあと一人でも補欠の子がいればよかったんだけど……この短期間で部員が11人揃っただけでも上出来よね……)｣
そんな事を考えながら、Aは気合いを入れている部員達の輪に入る
貴女｢円堂くん、そろそろ帝国学園が到着する時間です。グラウンドに出ましょう｣
円堂｢おう、そうだな｣
_______________
その日の空は曇天。予報では雨は降らないらしいが、A達にとって、何か不吉な事が起こる前兆のような空模様だ
貴女｢(嫌な天気ね……まるで、良くない事が起こりそうな……)｣
訝しげな目で空を眺めるA。いつもとは違い、胸まであるストレートロングの黒髪を、邪魔にならないように高い位置で一つにまとめ上げ、エースストライカーの証である9番のユニフォームを身にまとう。空を見上げるだけでも絵になるその美しく堂々としている様は、見る者の目を引く(と言っても、やはりと言うべきか本人は気付いていない)
貴女｢！｣
ふと、何かの気配を感じたAは校門の方に目を向ける
貴女｢(霧……？)｣
山奥でもないのに霧が出てきているという状況に対し、首を傾げるAだったが、その謎はすぐに解けた。何故ならそれは人工的に創り出されたものだったからだ
カタカタと、地震にも似た地響きを起こしながら、霧の奥もとい校門の向こうからやって来たのは大きな黒いバス。雷門中の全校生徒が注目する中、バスが止まる
扉が開くと、何故かレッドカーペットが敷かれ、その中から帝国の制服を着た生徒が次々に出て来、サッカーボールに片足を乗せレッドカーペットの脇にズラリと並ぶ。準備が整ったのか、車内から帝国学園サッカー部11人の選手達が現れ、レッドカーペットの上を堂々と歩いてくる
先頭を歩くのは、ドレッドヘアにどこにでもなさそうな特注で作ったようなゴーグルを着用し、更には赤いマントを羽織っているという、なんとも奇抜な格好をした少年だ。その腕にはキャプテンマークを付けている。彼らの登場の仕方に、唖然とする他の雷門中サッカー部をよそに
貴女｢(それにしても、派手ね……これ、
Aはそんな呑気な事を考えていた←
辺見｢鬼道さん、なんでこんなチームと試合を？うちのスキルが上がるとは思えませんけど｣
鬼道｢面白いものが見れるかもな｣
辺見｢面白いもの？｣
鬼道｢まあ、楽しみにしておくんだな｣
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作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
