71話 ページ30
萩原｢稲妻町……けっこう遠いんだね。そうなると電車通学かな。通学路調べてパトロール巡回人数増やしとくね。俺も時間合えば送り迎えするし｣
貴女｢そんな、そこまで迷惑をおかけするなんてことできません｣
萩原｢気にしなーい気にしなーい。市民の安全を守るのが俺ら警察官の仕事よ？それに全然迷惑なんかじゃないからね｣
佐藤｢そうよ、悪いのはAちゃんをトラブルに巻き込む原因なんだから｣
萩原や佐藤の言葉に何かを感じたのか、Aの頬に一筋の雫が流れて落ちる
佐藤｢ど、どうしたの！？大丈夫！？｣
高木｢腕痛む？｣
貴女｢いえ、その……行動を制限されたり、しないんだな……と、思って……｣
佐藤｢どうして、そう思うの……？｣
貴女｢……この体質は実の父や母にも疎まれてきたんです。だから、行動も制限されて……私の為に雇ってくれたのは分かるけど、怖いボディガード5人に四六時中睨まれ続けて……ずっとずっと、そんな生活を……｣
佐藤｢もういい！もういいのよ、我慢しなくて｣
貴女｢でもそれじゃ、迷惑を｣
高木｢……迷惑なんかじゃないって何度言っても……そう思ってしまうんだろうね。けどAちゃん、君の気持ちは分かるよ｣
貴女｢えっ……？｣
高木｢僕も、君ほどではないと思うけど、トラブル吸引体質でね。トラブルに巻き込まれる度に周りの人たちに助けてもらってる。僕も最初は迷惑かけてばっかりで……って思ってたんだけどさ、その度に伊達さんたちが言ってくれるんだ。｢迷惑なんかじゃない｣って。｢こんなことに慣れちゃダメだ｣って叱ってくれるんだ｣
伊達｢高木｣
高木｢最初は迷惑かけてって思うかもしれない。でもね、だんだんとそういう気持ちより｢ありがとう｣っていう感謝の気持ちの方が大きくなっていくんだ。Aちゃん、君は一人じゃない。周りの大人に頼っていい、我慢しなくていい｣
貴女｢私、頼るの迷惑じゃない、ですか？頼って、いいんですか｣
高木｢そうだよ｣
貴女｢我慢、しなくていい……ですか｣
高木｢うん｣
貴女｢うぅ……ヒック、ヒック……うぁぁわぁぁぁぁぁん！！｣
高木｢もう大丈夫、大丈夫だからね｣
_______________
高木｢Aちゃん、泣き疲れて眠ってしまいましたね……｣
小五郎｢大人の男に対して、まだ少し男性恐怖症が出ちまってるAが高木の腕ん中で寝れんのは驚きだな｣
高木｢え？｣
目暮｢どういう事だね、毛利君｣
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作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
