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少しずつ誤魔化すような答えになっていく。
いつもだったら大目に見てたけど、今日はさせないよ？
『ほんとに？』
「うん、」
『じゃあ愛してるって言って、』
「………言わなくても」
『分からないよ』
「…………」
『翔太、』
抱きついたまま、腕の力少しだけ力を抜いて上半身を翔太の顔が見れるように起こす。
目が合ったと思ったら、ふいっ、とそらされてしまって、彼が照れていることに気がついた。
言わなきゃ分からない。なんてのは嘘。
本当は充分、分かってる。自惚れじゃなくて事実。
『愛してる？』
「…あい…してる……………」
きっとこれはもう癖なんだな。照れると語尾が小さくなる。
それでもちゃんと聞き取れたのは、俺と翔太だから、他の人だったらもう一度たずねると思う。お互いに、
『ふふっ、俺もだよ』
「…ずる…………ってか泣き止んだんだったらはやく離れろよ！」
『泣いてないもん』
「嘘つけ、俺に抱きついてきただろ。」
『それは…翔太が両手ひろげてるから、』
「いーや違うね、泣きそうになったんだろ？オレに顔見られたくなかったんだろ？」
『そんなんじゃないし、』
「はいはい、」
『あ、その感じヤダ』
「りょーたくんは泣き虫だもんなぁ？」
『………夕飯、作らないよ』
「え？は？そ、それは違うじゃん！」
『今日、ハンバーグにするつもりだったけどやーめた』
「はっ！？いや、ごめんって！！」
『ふふっ』
焦ってきた翔太は、俺の腕を掴んでそのまま、くるっと、横にまわる。
そうすると、さっきまで俺の下にいた翔太が俺の上に、
んー、やっぱり翔太に見下ろされるのはしっくりこないかな、
「わっ、ちょ、りょおたっ」
『ふふ、隙あり』
「も、んだよ。くるくるまわんなって」
『はじめたの翔太でしょ？』
俺もさっきの翔太と同じことをして、形勢逆転。
最初の位置に戻ってきた。
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作者名：Tsukuri | 作成日時：2022年5月12日 20時
