０時の鐘が鳴る前に 💜💗 ページ11
※ちょいホントにちょい裏です※
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skside
『ん、、』
「あ、起きた？」
カラフルな街の灯りに照らされているだけの薄暗い部屋の中。
なんとなく目が覚めて、起きてしまったら、
ベランダで街を見下ろしながらタバコを吸っている俺の想い人。
その見慣れた姿を眺めながら、まだ12時ではないんだなと、ぼんやり思う。
いっそのこと、過ぎて居なければ良かったのになんて、考えてしまったり。
ダブルベッドにあるデジタル時計を見ると時間は、11時48分。
「お前、寒くねぇの？服着れば？」
『あぁうん、』
脱がせたのは、そっちなんだけどなあ。
床におちている、コトが始まる前に着ていたシャツを適当に着て、
タバコのにおいを纏った、背中に近づく。
『12時なるよ、』
「ん？あ、ほんとだ。」
『明日、朝から仕事あるでしょ』
「あれ、今日水曜？」
『うん、さっきアホな似顔絵でてたでしょ』
「あーあれか、見てねぇわ」
一度も目を見て話してくれないのは俺に好意なんてもっていないから。
一度も丁寧に言葉を返してくれないのは俺の話に興味が無いから。
さっき聞いた、『愛してる』も、
前も、その前だって、
俺を想いながらなんて言ってない。
「そろそろ帰ろっかなあ、」
『…うん、』
タバコを灰皿に押し付けて火を消し部屋へ戻っていく、さっき追ったその背中。
「じゃあまた」
『うん、後で、』
バタリと扉が閉まったら、
さっきより強く感じる、香水とタバコが混ざった、甘くて、苦い匂い。
余計に淋しく感じてしまうこの時間が嫌いだ
灰皿だって、身体を重ねたベッドだって、
お前の気を引くためなのに。
こんなに好きだと、わかりやすいのに、
本当は気付いてるんでしょ？
でも、それを事実にすると面倒だから気付いていない振りをするんでしょ？
言葉にして、真っ直ぐ伝えてしまおうか、
なんて、そんなこと自分が無理だって分かってる。
『明日も来るかな、』
チラリと時計を見ると、0が三つ。
0時になっても消えない一生の魔法になったらいいのに。
おとぎ話みたいに、ハッピーエンドが約束されないから怖いんだ。
『そろそろガチで辛くなってきちゃったなあ』
この気持ちは、魔法と一緒に消えないけど、
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作者名：Tsukuri | 作成日時：2022年5月12日 20時
