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前に突き出された、両手。
その意図が分からなくて戸惑う。
「俺の前でまで、カッコつける必要ねぇんじゃねぇの?」
『…!』
本当に不器用で、素直じゃない慰め方だけど、それが翔太らしくて、安心する。
それから、我慢してたものが溢れてきて、柄にもなく涙を流してしまう。
でも、今日くらいはいいか…
「うわっ、と……」
『しょおた…』
「ん、いーよ」
差し出された手を通って、その細い身体に抱きつく。
そのまま体重をかけると、耐えられなくなった翔太とソファへ倒れていく。
頭に添えられた手は、ゆっくり、子どもをあやす様に俺の髪を崩していく。
「なんも言わなくていーよ。」
「……分かってるから」
『…ッ』
恥ずかしくなったのか、語尾が小さくなっていった。
「分かってるから」って言葉が嬉しくて、抱きしめる両手に力が入る。
「いたいって笑…よしよーし」
『…うるさい』
人が真面目に泣いてるのに(?)
バカにした言い方をするから、また柄にもなく反抗てきな態度をとってしまう。
俺は悪くないし……
『翔太、』
「ん?」
『すき?』
「ん、好き」
『だいすき?』
「ん、」
『愛してる?』
「まあ、」
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作者名:Tsukuri | 作成日時:2022年5月12日 20時