通常運転でお送りします ページ10
＊
「ん、......あつ、い」
「やあ目が覚めたか。気分はどうだ？」
「......そろそろ訴えていい？」
眠りについてから暫く。
なんか暑いなあ、と思って目を開ければ何故か三日月が私の上に馬乗りになっていたのだ。
割と笑えないと思います。
まあ後から聞けば氷嚢を交換しようとしてくれたんだとか。
まさか風邪の時に襲ったりしてくるような奴じゃないことはわかってるし別に良いんだけども。
「わざわざ氷嚢変えに来てくれたの？」
「ああ。俺は近侍だからな、主の世話を任せられるのは当たり前だ」
近侍。
その一言が何故か引っかかった。
当たり前じゃないか、私は主人で審神者。三日月は刀剣で私の近侍。
なのに何でこんなに気になってるんだろ。
「主？」
「え？ あー......ごめん、ちょっとぼーっとしてた」
「そうか？ まあ、無理はしないでくれ。
......おお、そうだ主。少し起き上がれるか」
軽く笑って誤魔化したものの、三日月はそう大して気にもとめなかったらしい。
疑問符を頭の上に浮かべながらも起き上がれば目の前にふわりと湯気をたてる湯呑みが差し出される。臭い的に生姜湯だろうか。
「生姜湯？」
「そうだ。風邪の時にはこれがよく効くと昔から言われておるだろう」
「......ね、これもしかして作ってくれたの？」
「おや。はっはっは、よくわかったなあ」
三日月が一瞬だけ目を見開いた。
やっぱりそうか。さっき薬研が言っていたのはたぶんこれの事だろう。
光忠あたりに作り方を教えてもらいながらこれを作っている三日月が容易に想像出来て、微笑ましいなあ、なんて思いながら生姜湯を口に含む。
「......熱っ！？」
「おっと、充分冷ましたつもりだったが......すまんな。主は猫舌だったか。何時も食事の時に熱い物は最後にまわすだけある」
「え、何でそんなことまで知ってるの」
相変わらずそんなこと知ってどうするんだ、みたいな情報も知っている三日月に湿度の高い視線を向けつつ、湯呑みに入った生姜湯に息を吹きかける。
実際に冷めるかどうか？
......やらないよりマシなんじゃないですか(適当)
が、なかなか冷めない生姜湯に少し意地になって息を吹きかけていると、ふと笑顔で桜を舞わせる三日月が目に入る。いや何でだよ。
「ねえ、何で桜舞わせてるの」
「いやなに、気にするな。必死に冷まそうとする主が堪らなく愛らしいなどと微塵も思っておらんから続けてくれて構わんぞ」
「もういっそ清々しいね？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 533人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mya(プロフ) - 舞美さん» ひん...嬉しいです泣きます...ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ わかりみが深いです…私の執筆の原動力もそれです...( ) もう構想自体は練ってあるので恐らく近いうちにまたみかさにで一本出すと思います〜！ 良ければそちらの方もよろしくお願いします( ´ω` )！ (2018年4月4日 20時) (
レス) id: 925a7c7544 (このIDを非表示/違反報告)
舞美(プロフ) - 三日月シリーズ好きです(｀・ω・)推しが尊い…＊文才からなにまで作者様凄いです。これからも頑張って下さい！ (2018年4月4日 10時) (レス) id: 255c96dc1d (このIDを非表示/違反報告)
Mya(プロフ) - レナートさん» コメント＆お疲れ様ありがとうございます〜！ わああお仲間さんですね…もう受験終わって開放感凄いです……あああ是非！！ 是非お願いします！！ 大歓迎です！！(必死) 私のボードまで来ていただいても良いでしょうか…お手数おかけしてすみません…(´･ω･`)！！ (2018年2月25日 17時) (レス) id: 9ec455dfc4 (このIDを非表示/違反報告)
レナート(プロフ) - 完結おめでとうございます！！お疲れ様でした！！作者様は受験生でいらしたんですね！私もです(( っと、どうでもいいことは置いといて…私と友達になってくれませんか…！？ (2018年2月25日 14時) (レス) id: 16d406527b (このIDを非表示/違反報告)
Mya(プロフ) - hanaさん» コメントありがとうございます！ わあい、今回は可愛い系三日月を目指していたのでそう思って頂ければ嬉しいです〜！ これからもどうぞ宜しくお願いします\( ･ω･ )/！ (2018年2月11日 18時) (レス) id: 9ec455dfc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Mya | 作成日時：2017年8月29日 18時
