割とよくわからない三日月宗近 ページ7
*
夜。
夕餉も食べ終わりすっかり日も落ち暗くなったところで、外に出て花火をし始めた。
初めのうちは皆興味半分、恐ろしさ半分といった感じで花火を持っていたがだんだん慣れてきたのか今ではとても楽しそうにしている。楽しそうで何よりだが流石に貞が「ド派手にいこうぜ!!」とか言って花火を振り回し始めた時は全力で止めた。
今は粟田口を中心とする短刀達と一緒に遊んでいるところだが、ふと縁側に座り庭の様子を眺めている三日月が目に入った。まるで孫を見守るおじいちゃんの如き表情だが、折角買ってきたのに遊ばないとは何て勿体無い。
「三日月!」
「やあ主か。短刀達の元へは行かぬのか?」
「んー、ちょっと疲れたから一期に任せてきちゃった。だからさ、」
勝負、しない?
そう言って線香花火を手渡す。
私から誘ったのが心底意外だったのか暫くきょとんとした三日月だったが、直ぐに笑って花火を受け取ってくれた。
「俺は勝負事には強いぞ? ......あなや」
「言ったそばから落ちてるし......どの口が言ってるのそんな事。他のと違って揺らさないようにしないと直ぐ落ちちゃうよ?」
ほら、と言って私の花火を見せれば、ほう、と感嘆の息を漏らし興味津々といった様子で花火を見つめる三日月。
それが何だか子供みたいで思わず笑うと少しむっとした様子で一騎打ち(リベンジ)を申し込まれた。言い方は自重してほしいところだ。
改めて新しい物を持ってきてまた二人でしゃがみこむ。
「然し、なかなかに風流だな」
「でしょ? 皆楽しんでるのに三日月だけ楽しまないなんて勿体ないよ」
「......ははは、じじいを気遣ってくれたという訳か。ありがとう、主」
右手で線香花火を持ったまま空いている左手で私の頭を撫でる三日月。
因みに右手は微動だにしていない。どんな体してんだよお前。
まあ、大方わかるだろうが。私はそういう訳にもいかないのだ。
当然撫でられれば手まで振動が伝わって、あ、と声を出した時には火が消えていた。
「なっ、 今の絶対わざとでしょ!?」
「ははは、何のことだか。俺はそんなつもりは無かったが落ちたのならば仕方があるまい。俺の勝ちだな」
如何にもしらばっくれた様に言う三日月。
相変わらずこのじじいは大人気ないのか私を甘やかしたいのかよくわからない。
「主、好きだ」
「何故今言った。お断りさせて頂きます」
私が未だ発見していない三日月宗近への対処法、その三。気まぐれ。
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Mya(プロフ) - 舞美さん» ひん...嬉しいです泣きます...゚(゚´ω`゚)゚ わかりみが深いです…私の執筆の原動力もそれです...( ) もう構想自体は練ってあるので恐らく近いうちにまたみかさにで一本出すと思います〜! 良ければそちらの方もよろしくお願いします( ´ω` )! (2018年4月4日 20時) (レス) id: 925a7c7544 (このIDを非表示/違反報告)
舞美(プロフ) - 三日月シリーズ好きです(`・ω・)推しが尊い…*文才からなにまで作者様凄いです。これからも頑張って下さい! (2018年4月4日 10時) (レス) id: 255c96dc1d (このIDを非表示/違反報告)
Mya(プロフ) - レナートさん» コメント&お疲れ様ありがとうございます〜! わああお仲間さんですね…もう受験終わって開放感凄いです……あああ是非!! 是非お願いします!! 大歓迎です!!(必死) 私のボードまで来ていただいても良いでしょうか…お手数おかけしてすみません…(´・ω・`)!! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 9ec455dfc4 (このIDを非表示/違反報告)
レナート(プロフ) - 完結おめでとうございます!!お疲れ様でした!!作者様は受験生でいらしたんですね!私もです(( っと、どうでもいいことは置いといて…私と友達になってくれませんか…!? (2018年2月25日 14時) (レス) id: 16d406527b (このIDを非表示/違反報告)
Mya(プロフ) - hanaさん» コメントありがとうございます! わあい、今回は可愛い系三日月を目指していたのでそう思って頂ければ嬉しいです〜! これからもどうぞ宜しくお願いします\( ・ω・ )/! (2018年2月11日 18時) (レス) id: 9ec455dfc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mya | 作成日時:2017年8月29日 18時