誰か、三日月宗近に迫られている時の対処法を教えてください。

独白：三日月宗近 ページ46

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三日月と、一緒に居て気が付いた事がある。
今まで、三日月は何方かと言えば軽いスキンシップの方が好きなイメージがあった。抱きしめたり、だとか。口を吸ったり、だとか。
口調やら、何時もの優しげな笑顔やらから、そんなイメージで固定していた。


ただ、そのスキンシップが深い物に、甘い物に変わる程三日月は止まらなくなる。
普段からは想像も出来ないほど目をギラつかせ、欲を蕩けさせて。一体何のスイッチをどこでどう押してしまっているのかまではわからないが、大抵原因は私にある。

三日月の箍を外すのは私だし、その三日月の動きを止められないのも私だ。
それから、何だかんだそれらを全て受け入れてしまうのも私だ。

それは私が恋仲になってから初めて知ったこと。



三日月は、優しい。
誰よりも不純そうに見えて、誰よりも清純だ。
私が本気で拒絶を示せば直ぐに止めるし、私が少しでも喜ぶ事なら何度だってしてくれる。

あれが欲しい、これしてほしいな。
そんな風に言わなくても、何時だって私の欲しい物を欲しい時にくれる。
＿＿まあ、偶に意地悪なことはあるけれど。


だから、何も言われない時に私から強請ることはあまり無い。
私から強請ったって勿論してくれるけど、その時は嬉しそうに笑うのだ。今までに無いくらい嬉しそうに、幸せそうに。

「あいわかった」

決まってそう返事をして。


一度、どうしてそんなに嬉しそうなのか、と聞いたことがある。そうしたら、彼はこう答えた。

「普段は受け身がちな主が、俺を求めてくれる＿＿というのもあるが。まあ一番は、主と共に居られて幸せだからだろうなあ」

自分を求めてくれるのが、嬉しい。
職業柄、普段強請られる事の方が多い私には到底理解出来ない範疇の話だった。
当たり前だから、わからない。

それでも一つは、理解出来たこと。
三日月と恋仲になる前から知っていたことで、恋仲になってからもっと知ったこと。




『私もね、三日月と一緒に居られて幸せだよ』


なんて、口には出さないけれど。

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