優しい温もり ページ22
*
「み、三日月」
「主か。どうした、俺に何か用か?」
もうかなり待たせているし、これ以上待たせたら悪いと思って縁側に急げば優雅に月見酒を楽しんでいらした天下五剣様。
くっそ綺麗だな頭おかしいわ(褒め言葉)
「あ、その。一寸、話がしたくて」
「そうかそうか。主の願いとあらば受け入れなくてはならんなあ。
だが何時までも立っていては辛いだろう? そら、近う寄れ」
そう言ってとんとん、と自身の横を叩く三日月。何だか居心地が悪いような気がして何時もより少し間を空けて座った。
「......三日月、怒ってる?」
「何がだ?」
「何が、って......だから昼間の。何かあの時イライラしてて......三日月に酷いこといっぱい言っちゃって、ごめん。その、......怒ってます、よね?」
あくまで何時も通りほけほけと笑う三日月が逆に怖くなって、最後には無意識のうちに敬語になっていた。
まるで親に叱られた幼子のように、足元に視線を落とす私の頭上から降ってくるのは何時もの笑い声。
驚いて顔を上げれば可笑しそうに、だけど何処か嬉しそうに笑う三日月が目に入る。
「え、何? 私何か変なこと言った?」
「はっはっはっは......いや、すまんすまん。
てっきり主は俺のことなど嫌いになったのかと。あの時は俺も驚いてつい......な。なにも本気で怒ってなどおらんさ。不安にさせてしまったのならすまないなあ」
俺の方こそちと大人げなかったな、と言って宥めるようにゆっくり頭を撫でられる。
__良かった、嫌われなくて。
そう実感すると同時に安心したのかじわりと視界が滲み、慌てて目元を擦った。
「あなや、泣く程か......! すまん、まさかそこまで主を追い詰めていたとは思わなんざ......」
「や、ちが......! 三日月は、悪くないの。
その、三日月に嫌われたらどうしようって、怖かった.....から」
「......ははは、案ずるな。例え天と地が逆さになろうと、俺が主を嫌うなど有り得んと思ってくれて構わんぞ。主が俺を必要としなくなるその時までは、ずっと側に居よう」
そう言い終わった直後、ぎゅうと抱きしめ私が落ち着くようにと一定のリズムで背中を叩く。
時折、大丈夫だ、じじいは此処に居るぞ、と暖かい声をかけてくれる。
何時もは鬱陶しくすら感じるその体温が、今は凄く心地の好い物に感じられた。
533人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mya(プロフ) - 舞美さん» ひん...嬉しいです泣きます...゚(゚´ω`゚)゚ わかりみが深いです…私の執筆の原動力もそれです...( ) もう構想自体は練ってあるので恐らく近いうちにまたみかさにで一本出すと思います〜! 良ければそちらの方もよろしくお願いします( ´ω` )! (2018年4月4日 20時) (レス) id: 925a7c7544 (このIDを非表示/違反報告)
舞美(プロフ) - 三日月シリーズ好きです(`・ω・)推しが尊い…*文才からなにまで作者様凄いです。これからも頑張って下さい! (2018年4月4日 10時) (レス) id: 255c96dc1d (このIDを非表示/違反報告)
Mya(プロフ) - レナートさん» コメント&お疲れ様ありがとうございます〜! わああお仲間さんですね…もう受験終わって開放感凄いです……あああ是非!! 是非お願いします!! 大歓迎です!!(必死) 私のボードまで来ていただいても良いでしょうか…お手数おかけしてすみません…(´・ω・`)!! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 9ec455dfc4 (このIDを非表示/違反報告)
レナート(プロフ) - 完結おめでとうございます!!お疲れ様でした!!作者様は受験生でいらしたんですね!私もです(( っと、どうでもいいことは置いといて…私と友達になってくれませんか…!? (2018年2月25日 14時) (レス) id: 16d406527b (このIDを非表示/違反報告)
Mya(プロフ) - hanaさん» コメントありがとうございます! わあい、今回は可愛い系三日月を目指していたのでそう思って頂ければ嬉しいです〜! これからもどうぞ宜しくお願いします\( ・ω・ )/! (2018年2月11日 18時) (レス) id: 9ec455dfc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Mya | 作成日時:2017年8月29日 18時