誰か、三日月宗近に迫られている時の対処法を教えてください。

いや、笑っている場合ではないか ページ18

＊三日月side＊


「もういいよ、三日月なんて知らないから」
「それならそれでよい。俺も主には話しかけぬようにしよう」


俺がそう発した瞬間、少し傷ついたような顔をして皆の静止を振り切り大広間を出て行く主。
直後、今までの喧騒が嘘だったかのようにしんと静まり返ったがそれも束の間。鶴丸のおい主！と呼ぶ声を皮切りに再び喧騒が部屋を満たす。


「ちょっと三日月！！ 何主傷つけてるのさ！？ ああいうことは許さないって俺言ったじゃん！」
「落ち着け、加州。
......だが、本当に何があったっていうんだ。二人共喧嘩なんてする質じゃないだろうに」
「そうですよ三日月！ ふだんあれだけあるじさまのおそばにいるのにどうして......」


加州や鶴丸、今剣を筆頭に俺の周りにどんどん集まってくる刀達。


＿＿実を言うと、主の気を引きたくて俺が態と見習いに話しかけた事が原因なのだが。

確かに俺の思考通り主の気は引けたのだろうが、其処からの選択を間違えた。主の中の何かを引いてしまったのだ。

主は何だかんだ言いつつも俺の気持ちに気づいていてか普段は本気で怒らない。
然し今日は手を振り払われたのだ。俺が顕現されてから初めて。恐らく主が刀剣の手を振り払ったのも初めて。
正直、これは俺もかなり心に来るものがあったが。
主の私の気持ちが何故わからない、とでも言いたげな表情を見て何も言えなくなってしまった。


だが謝ろうとすればどうだ、何時もとは違う本気の目で睨みつけてきたかと思えばその口から出てくるのは不満の数々。(その中に上司への愚痴もあったのは聞かなかった事にしようと思う。)
俺もそこそこ精神面は強い方だと自負出来るが流石に本気で想っている者からの言葉は辛い。

そこで言い返したのが間違いだったのか、見事に口論に発展。強く言った所為で泣きそうな顔をした主を見た時は流石に自分でもやり過ぎたと思った。だが、その頃にはもう戻れない過程まで進んでしまっていたのだ。


「はっはっはっは......いや、笑っている場合ではないか」
「そりゃあそうだろうさ＿＿って何でまたそこまで気落ちしてるんだ」

「主に、嫌われてしまったやもしれん......話しかけぬとも言ってしまったし、主から直接大嫌いなどと言われた暁には今度こそ俺は折れるぞ」
「......相変わらず、主が絡むと面倒だなあきみ」



さて、どうしたものかな。

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