やっちまったぜ ページ17
*
「......どうせ私の気持ちなんてわかんないじゃん」
「ああ、わからんさ。俺には主が何故怒っているのか全く以てわからん」
「は?」
「おい落ち着け! 主も三日月も一旦頭を冷やせ!」
「そうだよ二人共! 鶴さんの言う通りここは落ち着いて、ね?」
バチバチと音が出そうな程大広間の中央で互いに睨み合う私と三日月。そんな私達に注がれる皆の不安げな目線が突き刺さる。
馬鹿なことしてるって自分でもわかってるし、こんな事になっているのは間違いなく私が原因。三日月は何一つ悪くない......いや、一つくらいは悪いかもしれないけど。とにかくこうなってしまった原因は今から約一時間程前に遡る。
実は今日、審神者会議があったのだ。
基本会議がある時は事前に招集がかかる。だが今日は何やら急用だったようで、朝餉を食べた直後こんのすけにより唐突に告げられたのだ。勿論休みたい気持ちはやまやまだったが、取り合ってくれなかった。許すまじ管狐。
そんな訳で仕方なく、本当に仕方なく近侍である三日月を連れて会議に出席したのだ。
まあそこまでは良かった。別段これといって困ることも無かったし何時も通りだったのだ。
__会議中は、ね。
問題は会議が終わった後。暑くて喉が乾いていたから途中で自販機に立ち寄った時の事だった。
その時は三日月に待っていてもらっていたのだが、ペットボトル片手に帰ってきたらどうだ。
周りに(恐らく見習い審神者の)女子がいたのだ。会議は政府本部で執り行われる為見習いが居ること自体は良いが何故うちの三日月と話しているんだ。逆ナンか、おい。
気づけば何だかもやもやしていて、結局三日月の腕を引っ張って本丸に戻ってきた。
本丸に戻ってからも相変わらずイライラは収まらないまま。そんな時に何時も通り三日月に絡まれたらどうなると思うだろうか。
ここまで説明すればもうお察しだろうが、私が三日月の手を振り払ったのだ。最初のうちは皆もあの二人が痴話喧嘩なんて珍しいなぁ、ぐらいだったのだろうが、だんだんそれがヒートアップ。
遂には立ち上がって冒頭の険悪なムードを醸し出す私達を止めようとした鶴丸と光忠に宥められ今に至る。
「もういいよ、三日月なんて知らないから」
「それならそれでよい。俺も主には話しかけぬようにしよう」
その言葉を聞いて大広間から出て行く。
背後から鶴丸のおい主! と私を呼ぶ声と三日月に事情説明を求める皆の声が入り混じって聞こえた。
もう本当、どうしようね。
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Mya(プロフ) - 舞美さん» ひん...嬉しいです泣きます...゚(゚´ω`゚)゚ わかりみが深いです…私の執筆の原動力もそれです...( ) もう構想自体は練ってあるので恐らく近いうちにまたみかさにで一本出すと思います〜! 良ければそちらの方もよろしくお願いします( ´ω` )! (2018年4月4日 20時) (レス) id: 925a7c7544 (このIDを非表示/違反報告)
舞美(プロフ) - 三日月シリーズ好きです(`・ω・)推しが尊い…*文才からなにまで作者様凄いです。これからも頑張って下さい! (2018年4月4日 10時) (レス) id: 255c96dc1d (このIDを非表示/違反報告)
Mya(プロフ) - レナートさん» コメント&お疲れ様ありがとうございます〜! わああお仲間さんですね…もう受験終わって開放感凄いです……あああ是非!! 是非お願いします!! 大歓迎です!!(必死) 私のボードまで来ていただいても良いでしょうか…お手数おかけしてすみません…(´・ω・`)!! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 9ec455dfc4 (このIDを非表示/違反報告)
レナート(プロフ) - 完結おめでとうございます!!お疲れ様でした!!作者様は受験生でいらしたんですね!私もです(( っと、どうでもいいことは置いといて…私と友達になってくれませんか…!? (2018年2月25日 14時) (レス) id: 16d406527b (このIDを非表示/違反報告)
Mya(プロフ) - hanaさん» コメントありがとうございます! わあい、今回は可愛い系三日月を目指していたのでそう思って頂ければ嬉しいです〜! これからもどうぞ宜しくお願いします\( ・ω・ )/! (2018年2月11日 18時) (レス) id: 9ec455dfc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mya | 作成日時:2017年8月29日 18時