33 ページ33
…
おれがえらんでかった???
ふえ?
なんだかもう話に自分の気持ちが追いつかず、いつのまにか涙は引っ込んでいた
「さっきさ。個室出て行ったAちゃんをすぐに追いかけられないでごめん」
「なんで泣いてるのか、俺そういうの鈍くて咄嗟に判断できなくて。あと自分の気持ちはっきりさせるのもあって。思ったより時間掛かっちゃった」
そう話しながら、彼のポケットからは先ほどのブルーの箱がでてきた
「ごめんね、こんな夜に外で1人にして、待たせて。
もっかい、やり直させて」
と言ったと思ったら、
あの吸い込まれるような目で見つめられて
「Aさん
好きです、ここは俺のために空けてくれますか?」
箱を持っていない彼のもう片方の手は、優しく私のフェイク指輪が付いた左手の薬指に添えられた
まさか。まさか。
空想でしか聞くことがないと思っていたセリフが、今、ジャストナウ推しの口から発されて… え?
ええええええええええええええあえええ?!
え!!これ現実??
『………っ』
しっかりと握られた手からは、大介くんの体温が感じられて…
あたたかい、、、現実だ、、
引っ込んだはずの涙がまたノンストップで出てきて…、でもそこにはもうモヤモヤとした負の感情は全く含まれていなくて
すぐ空けます、私も大好きです!と即答したいけど、声が出ない言葉にならない
なかなか返事をしない私を少し不安そうに覗き込んでくる彼の大きなお目目
『……うぅ………っっ…はいっ』
やっと絞り出した私の返事を聞いて、
嬉しそうに笑ったと思ったら、
サッと優しく指輪が取り替えられ、
即座に高価なバージョンに左手薬指がアップデートされた
そして、元々そこにあった指輪はというと。
「これ、Aちゃんが買ったやつだよね?
じゃ、俺がいただきます!
ふふ、指輪交換〜」
と、これまた素早く彼の小指に吸い込まれていった
「えへ、なんちゃって!」
と、その後可愛く言っていたが、
お目目がだいぶ本気だった……
…のは心にしまっておこう
・
・
ガチ恋ヲタクが周りに婚約をしていると嘘をついた結果、相手に会わせろと言われて一か八かどうにでもなれと推しにファンレターを送ったら、、、、
この度、推し様とお付き合いすることになりました。
…the end.
1272人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこの(プロフ) - 明瑠さん» ありがとうございます!ひゃー!そう言っていただき、嬉しいです!!そうですね、このカップルはこの先も色々とありそうですよねえ…笑きっと周りからの手厚いサポートがキーですね笑笑 (3月4日 22時) (レス) id: 6eee8636cc (このIDを非表示/違反報告)
明瑠(プロフ) - 初めまして!タイトルでとても気になって読み始めて、読んで良かったと心の底から思いました!少し遠回りな壁も多いだろう2人のこれからがとても楽しみになる終わり方でした!2人の今後やメンバーとの会合など短編集のような形でも見たいと思いました!! (3月4日 21時) (レス) @page36 id: 5603014888 (このIDを非表示/違反報告)
ねこの(プロフ) - ゴマ団子さん» コメントありがとうございます!もう100パー私の思いつきというか、妄想となっていますが…笑。お付き合い頂きありがとうございます!本当、こんなことあったらいいのに…ですね!笑 (3月1日 17時) (レス) id: 6eee8636cc (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ団子(プロフ) - 初めまして。いつも読んでいる者です。いやぁ、すれ違いからの急展開!!思わず叫びましたね。笑こんなこと、現実にあったらいいのにー。長文失礼いたしました。 (2月29日 23時) (レス) id: be5f4b3a72 (このIDを非表示/違反報告)
ねこの(プロフ) - ちいさいばあばあさん» わわ!リピートありがとうございます!続編お待たせしました!長い間、待たせてしまい申し訳ございません…! (10月13日 3時) (レス) id: 6eee8636cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ねこの | 作成日時:2023年7月3日 10時