ガチ恋ヲタクが周りに婚約をしていると嘘をついた結果、相手に会わせろと言われて一か八かどうにでもなれと推しにファンレターを送ったら、今私の目の前に本物の推しが降臨しているのは、何故ですか。【桃】

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Side 桃



おっちーー！



今日のライブも最高に盛り上がった。

ただライブ後、いつもと違って残るのは最後まで立花さんの席を見れなかった自分の不甲斐なさ。


終わって、シャワー浴びて。


あべちゃんから帰る前に話したいと言われたため、指定された会議室へ。ライブの反省会か？と思いながら

あべちゃんいるかーい？とドアを開けると


すっごい音がした。





音がした方へ目をやると、そこにはあべちゃんではなく女の子が倒れていて

しかもその子は、最近の俺の悩みの種No.1でして。



眠たそうな目を擦りながらこちらを見て、

「ふえ、さっくん？、、夢か？」
とか言ってる。




「へいき？立てそ？」

色々聞きたいことや、今までの放置とか今日のことで心がぐちゃぐちゃになっていたため、倒れた彼女にかけた声のトーンがちっとも優しく無いし、開けたドアから一歩も動かない自分に少しびっくりした




彼女は、こくんと頷き、
我に帰ったのか、さっきとは一転。

目をぱちぱち、顔を赤くさせながら

「うわ、もうこんな時間！あのちょっとスタッフの方探しますね！私たぶん間違って案内されたみたいでして…！」

と荷物を持って出ようとした。



それをみて、今度は咄嗟に動いた俺の体。



彼女の手を掴み、行手を阻んで自分から発した声は、笑っちゃうくらい弱々しく、

部屋のドアが閉まる音と重なった。










「もう俺は君の”推し”じゃないの？」
バタンッ



…

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