リンタロウの心情 ページ23
アナザーストーリー
「君の狼ゲーム」
森リンタロウ目線でプレイEP.1
「Aをおいて、帰れないからな」
…ほら、まただ。
また、Aちゃんの名前。
狼ゲームの初日から、Aちゃんと新村コウは、固い絆で結ばれている。
そもそも、僕はAちゃんを連れてきた覚えは無いから、僕だって彼女のことが知りたいのに。
なのに、彼女の隣にいるのは、いつも新村コウだ。
そして、彼も、そんな彼女に少なからず影響を受けている。
Aちゃんに影響されたから、君は、変われたんだろ?
「……そ、か」
「すまないな。
俺は、Aをおいては行けないんだ。」
新村コウは、寝ているAちゃんの方を見た。
Aちゃんは、スヤスヤと寝ている。
…僕は、そんな無防備な彼女を見て。
………また、愛しさを感じてしまったんだ。
☆
「…姉さん?」
僕は、隠し部屋に戻ってきた。
もちろん、誰も殺さなかったし、狼のお面は3階の廊下に置き去りのままだ。
姉さんは、部屋のモニターを眺めていた。
「…リンタロウ?」
「姉さん、新村コウは、変わったよ」
「うん、知ってるよ。
…リンタロウは、狼だったんだね。」
「黙ってて、ごめん。
姉さんに辛い思いをさせたくなかったんだ…」
「謝らなくていいよ。
むしろ、謝るべきなのは私だよ。
……気づいてあげられなくて、辛い思いさせて、ごめんね。」
姉さんは、僕に頭を下げてきた。
「そ、そんな、姉さんが謝る必要ないよ!」
「…でも、その様子だと、誰も殺さなかったんでしょ?」
「…うん」
僕は、誰も殺さなかった。
…いや、殺せなかった。
『生き残りたいなら、俺を殺せ』
僕を真っ直ぐに見つめる彼の目を見たら。
自分が、馬鹿らしくなってきたんだ。
…僕は、なんて無意味なことをしてるんだろう。
このまま人を殺していっても、何も変わらないのに。
彼女を……姉さんを、Aちゃんを。
悲しませる、だけなのに。
僕は、新村コウになぐさめてもらってから、誰かを殺す気にはなれなかった。
そして、そのままこちらに戻ってきたのだ。
誰も殺せなかった経緯を姉さんに説明すると、姉さんは僕を抱きしめてくれた。
「…リンタロウは、偉いね。」
「…ありがとう」
僕は、姉さんの腕の中で、心地よい気分になった。
…でも、僕は、姉さんに伝えなきゃいけないことがある。
「…姉さん」
「…なに?リンタロウ」
「…狼ゲームは、続けよう」
姉さんは、驚きに目を見開いていた。
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天音 みほ(プロフ) - 霧雪@誤字王女さん» コメントありがとうございます!え?金平糖?ンー??見間違いじゃないかなー???ま、そんなことはさておいて、僕って美しいよね(( (2019年1月27日 14時) (レス) id: e7164eec7a (このIDを非表示/違反報告)
霧雪@誤字王女(プロフ) - んんん・・・?おかしいなぁ・・・見間違いかなぁ・・・金平糖さんが見えたような・・・(( (2019年1月26日 8時) (レス) id: dcec4ba55e (このIDを非表示/違反報告)
天音 みほ(プロフ) - みゅーとさん» コメントありがとうございます!泣いたんですか!?こんな主人公ふざけまくりのギャグ小説に!?ありがとうございます…!リッちゃんとチエはんはもう親友っすよ。本編読んでて、「これどっちも生存してたら親友同士でしょ」って思ったのを小説にした感じです。 (2019年1月12日 15時) (レス) id: e7164eec7a (このIDを非表示/違反報告)
みゅーと - ヤバイです…本編より泣きました…リツちゃんとチエちゃんの友情が…もう…!(言葉で表せない) (2019年1月11日 22時) (レス) id: 46f91ead37 (このIDを非表示/違反報告)
斬歌(プロフ) - ちょwwwそんな褒められ方されるの結構久々ですw (2019年1月3日 19時) (レス) id: 8dd68f39fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天音 みほ | 作成日時:2018年7月14日 14時