孤独の青薔薇second【終わりのセラフ】

五十九輪 ページ9

『いつかっ、あなたを迎えに来る!!だから


生きててっ！必ず、必ず来るから！


生きて待ってて!!!!!!』

雨が激しく来る中、一人の少女は、小さな男の子に約束をした


『お父さん、お母さん、帰ってこないのは辛いと思うけど、


私が、貴方を必要としているから!!


生きて待っていて、』

傘をささずに、金髪の髪が顔に雨ではりつき、

ぬれていた


男の子の方は、今まで家にいて、濡れることは無かったが


少女が抱きついたことにより、かすかにぬれた

「どうして、急に？」

『理由は、ない、だけど、


私を忘れないうちに、言いたかった!!


貴方を必要とする人は、例え両親じゃなくとも


沢山いる


死にたいなんて、思っちゃダメだよ!!


例えそれが、親に殺されかけたとしても』

「わかった、まってる」


少女、Aは、優一郎が何もわかっていなくても、良いから、聞いて欲しかったのだ



『急に来てごめんね、すぐ言いたかったの』


表面だけ濡れたカバンの中から、ハンカチを取り出し、自分が抱きついたことにより濡れた髪を、丁寧にふいた


『あと、それでも、辛かったら



吸血鬼を殺して、憎むことだけ考えればいい


生きる意味が見つかるまで、そうすればいい』



「殺すの？どうして？」

『いつか、分かる。本当は運命を変えたい。だけど、ごめんね、私は、……………




ごめんね、これ以上は言えない』

未だに、優一郎の頭を拭き続けるA


優一郎は、Aを撫で始めた


「Aは、泣かなくてもいいんだよ

俺が、Aが泣かないように守るから！


笑ってよ」

優一郎の言葉に、Aはまた泣きじゃくった


『ごめんねぇっ、泣きやみたいのにっ、


とまらないのっ、』




名前の通り、優しい子だ



Aは、優一郎を、抱きしめながら思った








、







、






、



Aは、俺のこと全部わかってた


家族が殺される運命を変えようとしてくれてた


だから、



「俺の目的は、吸血鬼を殺すことだけだ」


今こうして生きてられる



Aは、今、この世にいない

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