【終わりのセラフ】優しき涙second

十五粒 鬼の野望 ページ15

阿「分かった？これがAの背負った感情



幼いうちにも、たくさんの絶望を与えられてきた彼女の生き様






なぁ？月詠、






君はどう思う？



家族に恵まれ、



不自由のない暮らしをした


地位が高かった" 元"吸血鬼の僕等には





分かることはないと思わないかい？」




頭が痛い

月詠「僕は……………僕は










Aを守れない」



脳裏に住み着いたAの記憶




頭から離れることは無い




吐き気がする



熱がある気がする



阿朱「ふざけんなよ




いまはお前の体調なんか


どうでもいい
Aが鬼にしている事も分からないのか？




僕等に






吸血鬼を辞めさせてくれるという




自由を与えてくれたんだ






そんな人を守れない？





ふざけるな」



お兄ちゃんの目には、力がこもっていた




僕は


月詠「自由をくれたのはAだけど








Aは、僕に…………………………






1人の人間として接してくれるんだ




もう






主と従者の関係じゃないよ





友達なんだよ







友達は、





家族しか守れない」




よろける体を必死に動かして喋った






阿「それでお前が後悔しないのなら






それでいい







Aを、友達として助けるんだ」




そう言い消えていくお兄ちゃん




僕は生まれて1度も切ったことの無い


髪の毛を切り





Aを守ろうと決心した

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