【wrwrd】国王を探せ

1日目 ページ1

(…此処、何処)

口に出したはずの言葉は期待を外し、静寂が続くだけだった。

(ぇ…声が出ない)

身の回りに何かないか辺りを見渡すと、誰も居ないし、何もない。強いて言うならヒビが入った壁と蜘蛛の巣ならあったが。

何時もの癖でポケットに手を入れる。

(…あ、何かある)

ポケットの中には1冊の本と1つの石…？みたいなのがあった。

(なにこれ……ていうか此処って私1人だけなのかな)

と同時にぐうぅぅとお腹が鳴ったので探索する事に決めた。



探索してみると、あの部屋だけでなく全体がボロボロなのが分かった。それと食料は沢山あったので、まぁ結構此処で過ごせる事が出来そうだ。
……住む気はさらさら無いが。

適当に菓子パンを頬張っていると、独りの筈なのに声が聞こえた。

？？「誰かぁ〜！」

(…いや何処に居るか言って欲しい。)

食べる手を止め声の主を探しに行く。

(うーん…やっぱわかんないな)

こちらからは声を出せないので見つけるのが数倍困難だ。

(どうしよ……あ、分かった)

要は音を出せばいいんだ。私はなるべく大きい音が聞こえるように、1回手を叩いた。

パンっ

？？「？！誰かいる？！」

今度は何処から声がしてるか分かった。なので私はフロアの端っこにある階段を使って下に駆け下りた。

恐らく最初に居た階層が3階なのだろう。2回降りると、これ以上下ることは出来なかった。

階段を出て少し歩いてみると先程の声の主が居た。
そいつは赤と白のしましまのシャツに黄色のオーバーオール、赤いニット帽を着ていた。
向こうも此方に気付き、どんどん走って近ずいてくる。出来れば大声を出さないで欲しいが。

？？「おーい！！そこの子！」

生憎声が出ないので無視されているように見えるんだろう。やたら此方に語りかけてくる。だから大声がうるさいって。

？？「おい！聞こえてんやろ！」

…さてどうしたものか。…手に書くか…。

ｸｲｸｲ

？？「なんや」

は

な

せ

な

い

？？「んなわけあるか！ちゃんと喋れ！」

はぁ？ふざけんな、もういいや。シカトしとこ。最初の部屋戻ろ。

？？「あ、おい。ちょっ…どこ行くんや！」

えーい聞こえなーい。やーいやーい。
…あ、菓子パン置きっぱだった。食べよ。

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ラッキーアイテム

赤いニット帽

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