８０話 ページ32
｢イレイザー？｣と女性の声が聞こえた。その声に相澤は顔を顰めあからさまに面倒だという表情をした。
Aも直ぐに切島の後ろに隠れた。
｢イレイザーじゃないか！テレビや体育祭でこうして直であうのは久しぶりだな！｣
｢ど、どうしたA｣
『……あの人、ニガテ』
｢あの人が？｣
すると、その女性は相澤の前に立つと｢結婚しようぜ｣と言う。すぐに相澤は拒否をした、そうすれば女性はぷはと笑い｢しないのかよウケる｣と笑いのツボに入っていた。
｢相変わらず絡み辛いなジョーク｣
すると生徒の中で1人明るい表情を見せた者がいた、勿論緑谷出久である。
｢スマイルヒーローのMs.ジョーク！個性は爆笑！｣
続けて彼女の説明をつらつらと述べる緑谷に頭が痛そうにしているA。
『……兎に角苦手。』
｢……Aって、何かぁこう相澤先生に似てきてるよな｣
『……着いてくるんじゃなかった』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢いやいや！まさか紫蔵目ちゃんまで来てるとはねぇ！｣
『ハハ、ハ』
｢しっかし、20人とはなぁ！お前が除籍してないなんて珍しいじゃん、気に入ってんだ今回のクラス｣
『！……』
｢別に｣
｢照れんなよ！ダッセェなぁ！付き合お｣
｢黙れ｣
｢しかし、それなら変な話だぜ、お前があの事を知らないわけが無い｣
そう、雄英は体育祭というイベントが全国中継され、個性がバレている。故に一番狙われやすいのだ。
『雄英潰し……酷い目みました』
｢去年は、イレイザーが人数減らしまくって不利だったからな！｣
｢おい｣
『それ以前です、私達には彼らのように団結はしなかった……だから受からなかっただけですよ。先生は全く悪くない』
｢愛されてるなぁ！イレイザー！良かったな！｣
｢黙れ｣
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