●届かない声、届けたい想い ページ47
fkside
鎮痛剤の量が増えていく度に重なる副作用。
次第に意識がはっきりしない日も出てくるようになった。
目はあいていても、呼び掛けの反応が薄いことが増えた。
fk「佐久間ー、聞こえるかー？」
俺が耳元で大きな声で何度か声をかけると、、
sk「…んぅ…？」
ぼんやりと返事をしてくれる。
ra「今日、すっごく晴れてるよ。きれいな青空がみえるよ、ほら」
とラウールが窓の外を指差しながら再び大きな声をかければ、目を細めて口角を上げた。
果たして本当に理解しているのか否か、それは定かではないが、痛みがコントロールされているのは確からしい。
しかし、佐久間が一番恐れていた”会話ができない”という状態に陥ってしまった。
手を動かすことも難しい佐久間にとって、意志疎通をはかることはかなり厳しい。
ラウはずっと『佐久間くん、』『さっくん、』って呼びながら佐久間の左手を両手でそっと包み込んでいた。
ra「…あっ、」
fk「ん？どした？」
少し顔を上げて嬉しそうに微笑んだラウール。
ra「今ちょっとだけ握ってくれた…かも…(笑)」
fk「ほんと？じゃあラウの声が届いてるんだね、きっと」
ラウールもわかってるよな。
この微かな意志疎通ができることさえ、あとどれくらいできるのかわからないってこと。
でも、この僅かな意志疎通という精一杯の幸せが今を生きていく糧になってるんじゃないかな。
俺にとって佐久間とこうして一緒に居られることが、どれだけ嬉しいことか。
俺と佐久間だけじゃない。
メンバーみんなもそう。
いつも一緒に居られるなんて、当たり前のことじゃないから。
いつが最後になるかなんて、誰もわからないから。
明日のことなんて誰にもわからないから。
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mocchy(プロフ) - 紫織さん» 返信が遅くなってしまい、大変申し訳ありません。作品を見ていただき、ありがとうございます！大好きと言っていただけて、とっても嬉しいです！時間はかかってしまうと思いますが、少しずつ投稿していくので、気長にお待ちいただけると幸いです (2020年11月22日 17時) (
レス) id: 8360e80300 (このIDを非表示/違反報告)
紫織(プロフ) - 始めまして。この作品が大好きで、何度も繰り返し拝見しています。お忙しいとは思いますが、是非続きが読みたいです。 (2020年10月5日 6時) (レス) id: 8c3a36c768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉邇児 | 作成日時：2020年4月10日 17時
