9'sRAINBOW〜僕らのキセキ〜《雪男》

●覚えてない ページ10

skside
独特な消毒の臭いで目が覚めた。


体を起こすと、手首に刺さった点滴の針が動いて痛みが走る。


病院か…何でだ？



…そうか…倒れたんだった。



それで…検査とか説明とかいろいろあったんだよな…確か。




あんま覚えてないな…

何て説明されたんだっけ…？



横を見てみると、俺のバッグとスマホが置いてある。


マネージャーさんが持ってきてくれたのかな…？


あれ…？

スマホの下に小さな紙切れが置いてある。


―佐久間へ

おはよ。今日、またみんなで会いに行くよ。

阿部より―


…思い出した。



昨日、照と康二と阿部ちゃんが来てくれたんだ。



手紙と交換するようにスマホを台から取る。


画面を開いてみてあらまぁびっくり。


通知がずら〜っと並んでいる。



大体がメンバー。

特にめめ。

不在着信が１０件近く入ってる。


収録始まる前、心配してくれたのはめめだった。

でも体調悪すぎてなんて返したか覚えてない…


電話してみる…？


まだ起きてないかな…？



まあでも起きてなかったらモーニングコールということで…


―Prrrrrrrrrr…

寝てるかと思ったけど意外にも二コールで出た。

sk「……めめ？」

mm『佐久間くん！どう？調子は。大丈夫？』

sk「うん。大丈夫。昨日は…ごめんね？」

mm『全然大丈夫だよ。…え、ちょっと…！まだ話してるんだからさ…ちょっと待ってって』

sk「え？何？」


周りにはメンバーがいるんだろう。

後ろでガヤガヤ聞こえる。


mm『あっ、ごめんごめん。佐久間くん、スピーカーにするね』

ra『おはよ！』

sk「あ、ラウだ。おはよう！」

kj『佐久間くん、大丈夫？』

sk「全然平気！もう元気よ。きっとすぐ退院できるよ」

kj『…うん』

iw『佐久間、今みんなで病院向かってるから』

dt『もう着くよ』

sk「待ってるね。ありがとう」







でも何でみんなで…？




俺、そんなに重い病気だったっけ…？







いや…まさかね。







だっていつもみたいに偏頭痛で頭痛くなっただけだし。




でも薬ちゃんと飲んでたんだけどな…

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