9'sRAINBOW〜僕らのキセキ〜《雪男》

●新たな課題 ページ42

dtside
今日は佐久間が復帰してから初めてのYouTubeの撮影。


控え室に着いたときに気づいたことが二つある。


まず一つは佐久間がものすごく緊張してるってこと。


佐久間の両手が、見てわかるくらいにプルプルと震えていた。




そりゃそうだよね。

ちゃんとうまくいくかなって思うのも当然だと思う。

約二ヶ月あったブランクは、佐久間を不安にさせるのには十分すぎた。




そしてもう一つは楽屋にある昼ごはんが一つだけ残っていること。


俺と翔太はさっき食べたし、照とふっかで食べてるのも見た。

目黒と阿部も一緒に食べてたし、ラジオの収録終わりの康二とラウールも今食べてる。


…となると残るはやっぱり佐久間だ。




阿部が佐久間の方へ話しかけにいくのを横目で見ながら、メイクをするために翔太と楽屋を出た。



dt「佐久間…ご飯、食べてなかったね…」

wn「体調悪いんじゃない…？」



すると、後ろから俺の肩に手がポンと置かれた。



fk「いや、たぶん副作用のせいだと思う」

wn「副作用？」



扉の隙間から楽屋を覗くと、二人の会話が聞こえてきた。




ab「ねぇ、一口だけでも食べられない？」


sk「…だって痛いんだもん…」


ab「うーん…あ、ちょっと待ってて」




二人を見つめたままふっかが話始めた。



fk「この前ラジオの時に聞いたんだけどさ、今治療の影響で口内炎ができてて痛いんだって言ってた」

dt「そうだったんだ…」

wn「でもこのまま食べれない日が続いたら危ないよね…？」

fk「水飲むのも結構キツいみたいだし…」




今回は阿部がゼリーを持ってきていたからそれを食べることで、多少のエネルギーを摂ることができた。


でも、栄養的に考えて、いつまでもゼリーだけに頼るわけにはいかない。


そこで、翔太とふっかにも協力してもらって、特製メニューを考えることに。


dt「ねぇ、翔太。何かいいアイデアない？」


wn「んー…そうだなぁ…例えば……なんだろ…笑」


dt「真面目に考えてる？笑」


wn「考えてる考えてる笑」


fk「あ、茶碗蒸しとかどう？」


wn「いいね！」


dt「あ〜、あれなら野菜とかも入れられるし」





柔らかいし、刺激は弱いかも。


俺たちは早速試作品を作ることになった。

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