9'sRAINBOW〜僕らのキセキ〜《雪男》

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raside
sk「でもね…ここから先の話、よく聞いてほしい」


佐久間くんは、急に改まって視線を手に持っている紙に移す。



sk「俺の場合、良性だったから転移してることはまずないの思うって言われたんだけど、再発する場合もあるから、退院しても放射線治療を受けることが絶対条件なの」


ra「放射線治療って外来でできるの？」


sk「うん。通院でいいよって先生が」


ra「へぇ〜、そうなんだ。知らなかった！」


sk「でもこれ見て…？」


そう言って手に持っていた紙を机に差し出した。


俺はその紙を手に取り、上から順番に文章を目線で追う。


そこに書かれていたのは、放射線治療の副作用についてだった。



sk「副作用のこともあるし、やっぱりメンバーに話すべきだよね…？」



みんなに集まってもらって話すのは申し訳ない、と佐久間くんが言った。


そりゃ確かに最近はドラマの撮影がある人がいたり、個人のレギュラー番組の収録があったりするから、全員の予定を合わせるのはなかなか難しいと思う。



でもだよ？



佐久間くんの退院の話なんてみんな聞きたいに決まってるじゃない！


そんな嬉しい報告、みんなにしないでどうするの。



ra「俺から伝えてもいいけどさ、みんな佐久間くんからの報告待ってると思うよ」


sk「そう…？」



そして、意を決してグループメールを入れることに。



sk「よし、できた。これでいいかな…？」


ra「どれどれ、見せて？」





”明日、話したいことがあるので、病室まで来て下さい。来れる人だけで大丈夫です。お願いします。”





おぉ、話の中身は全く伝えない感じなのね…笑




ra「みんな何のことか心配になっちゃうかもね」


sk「そーかなぁ？あ、みんなに言わないでね！」


ra「はいはい、わかってますって！」



恐らくサプライズ的な感じにしたいんだろう。
みんな楽しみにしてるよ。


退院できるその日を、みんなずーっと待ってたんだから。









そして、最年少の僕に一番に話してくれたことがめちゃめちゃ嬉しくて。



たまたま今日来てるのが僕だからっていうのもあるかもしれないけど、それでも僕を一人のメンバーとして頼ってくれていることが、本当に嬉しかった。









一つ深呼吸をして送信ボタンを押したその右手は、もう以前のように震えていなかった。

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