9'sRAINBOW〜僕らのキセキ〜《雪男》

◯向き合う ページ20

wnside
”脳腫瘍”の宣告をされてかれこれ四時間が過ぎた。


隣には佐久間が寝ている。



顔色は大分良くなったけど、体調を考えて一人にするのは危ないってことで、病院から一番近い俺の家に来てる。







正直、まだ受け入れきれてない。





だってついこの前まで一緒に収録してたじゃん。


一緒にロケしてたじゃん。


雑誌の撮影してたじゃん。


こんなに一緒にいたのに何で気づいてあげられなかった…？



一人で悩んでたかもしれない。

ずっと苦しんでたかもしれない。

それなのに、何でもっと気にかけてあげられなかった…？




明日も番組の収録がある。

時間はそんなに早くないけど、待ち時間もあるし、体調不良が重なると結構大変だと思う。





―pipi…―

横に置いてあるスマホが震えた。

mm『どう？何か変化あった？』

wn「特に何もないよ」



”大丈夫？”と気にかけてくれる目黒。


あいつらしいよな。


今ドラマで忙しいはずなのに、ちゃんとメンバーみんなのことを見てる。


きっとこのメールも撮影の合間に送ってくれているんだろう。







―pipi…―

もう一度バイブが鳴る。

mm『手術のこと、何か言ってた？』


wn「いや、帰って来て疲れてすぐ寝ちゃったからまだ何も」


mm『そっか』





”一週間だけ”待ってほしいと言った佐久間の言葉の裏には何があるんだろう…？



手術は決して簡単ではないはないから、俺たちは佐久間の意見を尊重するし、寄り添っていきたい。






やっぱ気になるよね…

でも俺たちが焦って急かしちゃいけない。









大丈夫

佐久間が選択した答えはきっと正しいはずだもん。

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