第漆日目 夕方【冨岡義勇】 ページ27
冨岡義勇
今日の昼、Aに用があり屋敷を訪ねた。
いつもの縁側にもいる気配もなく台所にもいない。
すると一室から声が聞こえる
『へ、わっ…』
話し声がしたので静かに襖をあけてみる。
すると
宇髄とAが口吸いをしていた
「っ、?」
Aは宇髄に何かを囁かれていて。
あいつの、宇髄の目だけは俺を見据えていた
まるで、見せつけるかのように
一刻も早くその場から逃げ出したかった
「…あの時、俺のものだと言えればよかったんだがな。」
そんな独り言は夕方に溶け込んでいく
そろそろAは暇になっただろうか
「ごめんください」
『ん?冨岡さん、どうしたんですか?』
ちょうど玄関にAがいた。
「書類を届けに来た。柱全員分の判が必要な書類でAが最後だ。」
『あ、分かりました!見とくんで置いといてください、ってあー。冨岡さん入ってください!』
「邪魔をする」
こいつは無防備すぎる
『今日、ご飯食べていきますか?鮭大根作りますよ』
「あぁ、頂く」
昼間、あいつにあんなことをされたのに、どうして平気でいられるのか素直に不思議だった
俺を簡単に屋敷上がらせたのも、何もしないと思っているからなのだろうか。
「A」
『ほい?』
どうしたんですか。そんな神妙な面持ちをしてと笑いながら言われる
「…」
ギュッ
『冨岡さん?』
「俺は、Aに意識されていないか?」
『意識って、冨岡さ…「その呼び方も。」』
Aの頬が若干紅く染まっているのが分かる
それが外から差し込む夕陽のせいなのか、今この状況のせいなのかは分からないが。
「なぜ、あいつは呼び捨てなのに、俺は苗字なんだ?」
『あいつって、天元さんですか?』
「…」
この無言は肯定と取られるだろう
『あれは、あのですね』
そう言うAが何となく愛しくて
「…俺はAと
ギュッと抱きしめる腕に力が入る
無言で数秒見つめあった後
顔をぐっと近づけると
『ちょちょ、だめ、です』
「…ダメじゃない。」
そんな可愛らしい顔をされて我慢できるほど人間が出来ていない。
『え、ん…』
チュッ
「…じゃあ判をついて御館様のところへ持って行ってくれ」
『…は、はい』
_______
Aの鮭大根を食べそこねたな。
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燐(プロフ) - ひなさん» 宇髄さんことごとく不発ですね!笑 でも、そろそろ行動を起こすようです。私も好きです! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 47c47f0224 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 宇髄さんほぼほぼダメじゃないかぁ...そういう所も含めて好きなんだけどねっ (2019年12月12日 20時) (レス) id: e24aa52dc2 (このIDを非表示/違反報告)
燐(プロフ) - 名無し5472号さん» 「喜んでくれたようで良かった。」「名前を変えられないのか?そうか、まいぺーじ を開いて 右上の設定を押し ぷろふぃーる設定 から変えられないだろうか。力になれずすまん。」「また りくえすと してくれ。」 (2019年12月8日 11時) (レス) id: 47c47f0224 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5472号(プロフ) - んわぁぁぁぁありがとうございますぅぅぅ どうしても名前の変え方が分からなくて…!!!錆兎かっこよすぎますぅぁあ (2019年12月8日 7時) (レス) id: 4ba81fc84d (このIDを非表示/違反報告)
燐(プロフ) - エルとさん» 「えると ちゃんは渡しませんよ?特に冨岡さんには。」「…それは、えると が決めることだ。」「そんなんだから嫌われるんですよ?」「(心外)」「また、りくえすと 待っている」ニコッ (2019年12月7日 21時) (レス) id: 47c47f0224 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:燐 | 作成日時:2019年10月29日 17時