ヒプマイ短編集5

あっち向いてホイ！【山田一郎】 ページ34

＊




山田一郎





『一郎さーーん！』



｢おー！A！どうしたんだ？｣



『じゃーーんけーーーん』



｢え？｣



ポンッ！！



一郎 ｸﾞｰ


A ﾊﾟｰ



｢急になんだこりゃ…『よし！！』聞けよ！笑｣



『あっち向いてー！ホイっ！』



咄嗟に左を向くと



ﾁｭｯ



｢え？｣



『引っかかりましたね〜？』



｢…っお前。｣



不意打ちは応えたのか少し耳が赤い一郎さん。



｢不意打ちはずるすぎ。｣ﾎﾞｿｯ



これをする為だけに、俺にあっち向いてホイを仕掛けたのだと思うと可愛く見えてくる。



『もう一回ですよ！』



｢よし、こい！｣



でもまぁ、騙したお仕置きはしねぇとな？



｢『じゃーーんけーん』｣



ポイッ！！



一郎 ﾁｮｷ


A ﾊﾟｰ



『あ。』



｢あっち向いてー！｣



ホイっ！



咄嗟に私は右を向くと



ﾁｭｯ



『…っ〜やられた…』



｢仕返しだ｣ﾆｶｯ



『もう一回です！！』



悔しい。ちょっと負けられない。



｢『じゃーーんけーん』｣



ポイッ！！



一郎 ﾁｮｷ


A ﾊﾟｰ



『あぁぁぁ！もう！』



あっち向いてー！



ホイっ！



下を向くと



ｸｲｯ



『へ』



ﾁｭｯ



『…っ〜！！！』



｢お？お前顔真っ赤だぞ｣ﾆｶｯ



｢…恥ずかしかったか？｣



そう耳元で囁く



『…』ｺｸｺｸ



｢ん。素直でよろしい｣



｢…もう一回やるか？｣



『や、やりません！』



｢ふーん。てか、キスしたいならそう言えよ？｣



｢沢山してやるからさ。｣ﾆﾔｯ

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