一月で惚れさせてください 弐 【鬼滅の刃】

第弐拾日目 夜 【煉獄杏寿郎】 ページ31

煉獄杏寿郎





｢…(賑わっているな！)｣



今日は花火大会。いつもより町は屋台などで賑わっている



『…煉獄さーーん！』



｢よもや！A！｣



『すみません。待たせました？』



そう少し申し訳なさそうに言うAは浴衣を着ていて髪型を変えており、いつもより一層綺麗に見えた



｢…いや！来たばかりだ！気にするな！｣



この格好を俺のためにしてきてくれたのだと思うととても嬉しい。



｢うむ！似合っているな！その浴衣！｣



『めちゃくちゃ可愛くないですか！！これ！』



｢あぁ、とても可愛らしい！｣



『煉獄さんも似合ってますよ浴衣。』



｢君ほどではない｣ﾆｺｯ



『え、』



ﾆｺｯと微笑んだ煉獄さんは朱色の光のせいか艶っぽく見えた



｢さぁ！屋台も人も多い事だし行くか！｣



そう言って手を差し伸べるとまたもや困ったように手を重ねてくれる



この小さな手を守れるように。恋仲になりたい。そう改めて思った



『あ！煉獄さん！わたあめがあります！！食べましょう！』



目を輝かせてふわふわしたお菓子を指さす



｢毎度ありー！｣



嬉しそうにわたあめを頬張るAの髪には見慣れない簪があった



｢これは買ったのか？｣



『あ、これですか？不死川さんから貰いました！』



｢…もしやA。男が簪を送る意味を知らないのか？｣



『え？』



耳元で声が響く



｢お前を護る、一生を添い遂げて欲しい｣



そういう意味があるんだぞ？



『な、』



意味など気にせず付けていたがそういうとこだったのか。




そしてすまない。そう言うとｽｯと簪を抜く



『あ…』



｢よし、これはAに返すが俺の前ではあまりつけないでくれ！｣



｢そろそろ花火が始まるぞ！行こう。｣



また手を差し伸べられる



嫉妬、したんだよね？



何故か嬉しくなって可愛いなーなんて思う。



しばらくすると花火があがった



周りの子供や家族は｢わぁー！｣｢すげぇー！｣｢たまやー！｣等色んな感想を口にしている



輝く光は色とりどりで破裂し夜空に散っていく



『綺麗ですけど、儚いものだな。』



なんてしみじみ思った



｢そうだな。｣



｢…Aと見ているから、より美しく見えるのだと思う。｣ﾎﾞｿｯ



そんな呟きは花火にかき消される



『え？何か言いました？』



｢いや。なんでもない。｣

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