9.唐突な告白 ページ9
.
見学者の皆を見送り、上司に早退許可貰ってカウンセリングに行こうかな、と思って社内を歩いていると「早坂」と名前を呼ばれた。
『あれ、松田君。帰ってなかったの?』
「一緒に来た奴がまだ現場の方にいるからな…にしても、災難だったな」
『そうだね……でも不謹慎だけど、こうして警察官になった松田君に会えたのは嬉しいかも。十数年ぶりでしょ?』
「、……ああ。そういう早坂も夢叶えたんだな」
『! 覚えてたんだ…』
「…あの時のことは忘れねぇよ」
高校の時、二人だけの教室で互いの夢を語ったこと。
松田君からは後に警視総監をぶん殴るということを聞かされたが、出来たのかなと思ったけど聞く必要はないか。
「そうだ早坂。連絡先交換しようぜ。何かあったら俺に連絡するといい」
『うん。警察官の連絡先なら安心だもんね』
「だろ?」
私はポケットからスマホを取り出して松田君とSNSの連絡先を交換し合う。
互いに今どきの高校生みたいにスタンプを送って送り返してもらう。
隣にいるのにね。
『でも、私意外だったなぁ』
「何がだ?」
『松田君が私の事覚えてたこと。忘れ去られてたと思ってたから』
「ふぅん?」
松田君はこちらを向き、顔の高さを私と同じくらいに近づけた。
急な出来事に私は後退りしようとすると顔を両手で抑えられて瞬間、唇を塞がれた。
人から見えない完全な死角。
短いはずなのに、長く感じる時間。
そして唇が離れた瞬間私は立ち尽くし、目の前の松田君はしてやったり、という顔をしていた。
「高校の時からだっけどな…俺、お前が携わってきたアニメ全部見るほどお前のことずっと好きなんだぜ?」
『………えっ』
「ちなみに本気だから覚悟しとけよ」
「おーい、松田どこだー! そろそろ帰るぞ!」
「お、時間みたいだな。じゃあな、早坂」
『あ、うん。また……エッッッ!?』
.
721人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミクリ - え?陣平さんとキスしちゃった…?マジか…wあ〜陣平さんマジでカッコいい♡ (2022年7月5日 22時) (レス) id: fb56429a06 (このIDを非表示/違反報告)
LieN - この作品すごく面白くて好きです!更新頑張ってください! (2022年6月5日 11時) (レス) @page11 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)
遊馬雄里(プロフ) - きなこだいふくさん» ありがとう(`•ω•′)✧︎ (2022年4月30日 19時) (レス) id: fd01452b84 (このIDを非表示/違反報告)
遊馬雄里(プロフ) - 錫也さん» コメントありがとうございます! こちらこそ…読んでくださり…本当にありがとうございます…m(__)m (2022年4月30日 19時) (レス) id: fd01452b84 (このIDを非表示/違反報告)
遊馬雄里(プロフ) - もちことさん» コメントありがとうございます! その言葉だけで凄い励みになりますので、頑張ります! (2022年4月30日 19時) (レス) id: fd01452b84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雄里 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時:2022年4月29日 21時