Ⅰ.翔ける閃光 (ページ2)

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そして北海道から約半日、新生雷門イレブンは遂に強力な
選手がいるという新潟の稲光(いねひかり)市にやってきた。

「のどかなところね」

「寒すぎず暖かすぎずだな」

そこは自然豊かな場所で特にド田舎という訳でも都会でもなく普通の町だった。
新たな土地に心躍らせていた時、ふと円堂が「あっ」と声を発した。

「監督、今はどこに向かっているんですか？」

「彼女が通っている越光(えちみつ)中学校よ」

「先程名前を聞いて調べてみましたが、光輝未来さん。通称『翔ける閃光』。そして監督の言った通りフォワード寄りのミッドフィールダーですが、キーパー以外なら殆ど出来るオールラウンダーだそうです。

また越光中学校のサッカー部は男女混合のサッカー部のようで、女子部員は全員ランセンス持ちの実力者。本来ならフットボールフロンティアに参加予定でしたが白恋中と同じく出場資格を剥奪されたらしいんです」

「そんな…」

「でも、そんなにすっげー奴なら一緒にサッカーしたいな！」

「だが相手が了承してくれるか、だな」

「ああ！」

春奈から聞かされた情報に、円堂達はワクワクしていると古株が運転していたキャラバンがゆっくりと停止した。

「越光中学校に着いたぞー」

「ここが…」

「さぁ、降りる準備をして」

「「はい」」

円堂達はシートベルトを外すと、一番後ろに居た壁山から順にキャラバンから降りると、目に入ったのは広く、大きく、綺麗という三拍子が合う程の校舎。

「すげー綺麗な学校…」

「越光中学校はスポーツ科と農業科があるくらいスポーツと農業に力を入れてるかなり最近に出来たばっかりの学校よ」

「そんな学科があるんだな」

「しかも中高一貫の学校のようですね」

そして校内に入り、越光中学校の校長先生と話した後、円堂達はサッカー部の部室に訪れた。

「失礼しまーす。あの、ここに光輝未来って子が居るって聞いたんだけ、ど…？」

円堂が部室をドアを開けると、休憩中だったのかさっきまで外まで聞こえてきた話し声がピタッと止まり、円堂達の方を見ている。

「え、えっと…」

「って、うそうそうそ？！円堂君がいる！？」

「え？」

「夢か！？」

「鬼道君や一ノ瀬君、風丸君もいる！」

「待てい女子共。壁山君や染岡君もいるだろ！」

「壁山君一年なのにDF凄かったし、豪炎寺君とのシュートは最高だった」

「箱推しです！サイン下さい！！」

「お、おお…！」

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