Ⅰ.翔ける閃光 (ページ7)

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「スゲェ…あんなロングシュートでも威力が落ちないなんて」

「これが…『翔ける閃光』！」

「あの吹雪君のエターナルブリザードを蹴り返すだなんて…」

「圧倒的なセンスによる技術に吹雪の技を蹴り返す程の威力を持ち合わせてるとは…」

「未来、足首大丈夫？」

「吹雪君のエターナルブリザード威力がとんでもなくてまだビリビリしてる…もうあんな無謀なことすんのやめよ」

「そうだぞこのバカ」

「キャプテン辛辣すぎて泣きそう」

未来ちゃんのハートはガラスで出来てるんだからな。
そんな掛け合いも束の間。
直ぐに試合は再開したものの、先程より威力がアップしたエターナルブリザードと染岡君のワイバーンクラッシュによって雷門の勝利となった。

「あーっ、負けちゃったー…」

私はその場に座って、空を見上げる。
でも楽しかったと、これだけは胸を張って言える。
目を閉じて数秒経つと、こちらに誰かの足音が向かってきたのが聞こえてきた。

「僕のエターナルブリザードを蹴り返すなんて…光輝さん凄いね」

「吹雪君…ありがとう。でも、もう無理だろうなあ」

「どうして？」

「吹雪君のエターナルブリザードは多分これからもっと成長して強くなっていくと思う。それに今回エターナルブリザードを受け止めた時にマズいなってなったからさ、臨機応変に回転付け足してなんとかって感じ」

「えっ…あ、ごめんね！？腫れてたりなんかは」

「大丈夫だいじょーぶ。ちょっとヒリヒリするだけで他に痛むところとかはないし、そもそも無茶やった私が悪いから。でも吹雪君凄いなぁ…フォワードだけじゃなくてディフェンダーまで強いなんて。私は器用貧乏ってだけだから尊敬しちゃう」

「！ …ありがとう」

………ほう。これは数多の女子を落としてきたな。
落ちた女子の気持ちは分かる。このふわっとした笑顔にはコロッと落ちちゃいそうだし。

「未来ー！集合だって！」

「りょうかーい。それじゃあ行こうか、吹雪君」

「うん」

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