見える者同士【夏目友人帳】

○第十三話 ページ16

鹿目side



『ねえ雅火』




雅火「何だ？」




『私と居て、楽しい？』




雅火「……─────さあな」




『そっか』




何故か心が温かくなった。



□■□



『夏目君』



夏目「鹿目…」



夏目君が見ている方を見ると一人の男子生徒がいた。




夏目「見えるのか？」



田沼「え…」



『グラウンドに変なものでも見えるの？』



彼は少し笑った。




田沼「───いや。でも一瞬、何か変なものの影がふたつ見えたような気がしたんだ。
…たぶんいつも気のせいなんだ。影を見たり気配を感じたり…笑わないでくれよ？
「夏目」と「鹿目」って奴も時々何かを見てるみたいだって噂できいて…話してみたかった。
…でもたぶん…気のせいなんだ」



夏目「おれは見える。凄く変なもの」



『私も。変で面白いものが』



夏目「でも内緒な」『でも内緒ね』



私達は外を見ながら言った。



夏目「やっぱり俺たち三人が変なものかもしれないし」



田沼「───…そうか…──…そうだな……」



恐いのは同じ最初の一歩

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