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すると彼はポツポツ話し出した。
星漿体の件、五条悟の件、呪術師とは、その存在意義とは。
九十九由基によって教えられた呪霊を生み出す非術師を殺せばいいのか、もう呪術師以外が猿に見えてしまう世界。
「…私には、この世界は息苦しい…」
『なるほど…事情は分かった。傑くんは本っ当に真面目だなぁ…そういうところは尊敬するよ。そこで、長年付き添ってきた幼馴染みからアドバイス。傑くんは少し、休息が必要だよ』
「…きゅう、そく」
『そう。ストレスが溜まってるなら休む。将来ハゲるよ』
「はげっ……それは、嫌だな…」
『それはそれで見ものだね』
「酷いなぁ」
『再会そうそう猿とか言ってきた傑くんよりかはずっとマシだよ』
「…ごめん、ほんとうにごめんっ」
泣きながら謝ってくる彼に優しく背中を摩る。
泣いている、ということは自分が悪いと思ってる証拠。
原作でも夏油傑は非術師は猿、というふうに思い込んでいたようだし。自覚はあったのだろう。
『傑くんはさ、怒っていいんだよ。もう、何もかも吐き出しちゃえ』
「誰に…」
『八つ当たりでもいいから親友くんにとか。ほら、男子って喧嘩することによって友情が深まるんでしょ? 』
「凄い偏見だね…でも、うん…悟に八つ当たりするのも、悪くないかも」
『あとは…任務には一人じゃなくて、二人で行くとか。いくら傑くんは強くても、心は高校生なわけなんだから、エグい任務を言い渡されたらぶっ壊れるかもしれないし』
「うん……そうだね。私はまだ、高校生だからな」
『それかいっその事一般人に戻るとか。割とそういうのざらにあるんでしょ?』
「…一般人には、もう戻れないな。私は生涯ずっと呪術師だろうね」
『…そっか。傑くんが決めたなら私は反対しないよ……よし、行こう傑くん』
「…どこに?」
『美味しいもの食べに! 呪霊が不味い分、美味しいものたくさん食べて食べて食べまくる! お金は私が出すから行くよ』
「ちょっ…待ってくれA…!」
『待ちませーん。私を猿呼ばわりした傑くんに拒否権などない!!』
「えー…」
小さい頃のように私は彼の手を引いて進む。
なんか地味に救済したような気もしなくはないが、言いたいこと言えたので私もスッキリしている。
原作を変えたくないという意思が強くて今までこういうことを言えなかったけど、これは私の人生だ。
なら、少しくらい好き勝手やってもいいでしょ。
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ぼんち - 迅さんがおるwww (2022年3月5日 16時) (レス) @page18 id: 96c1cb5508 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 完結おめでとうございます!!夏油さんが幸せになれて私も幸せです♡♡ (2022年3月2日 15時) (レス) @page19 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
たにし(プロフ) - おもしろすぎてすきですww (2022年2月11日 15時) (レス) id: 3384af27e7 (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - 傑の幼馴染とか需要しかないっす最高です!!!ギャグめっちゃ好きです面白いです!!特に五条との出会い方面白いです!!更新楽しみに待ってます!無理のないように頑張ってください!! (2022年2月6日 20時) (レス) @page11 id: f85de546f7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ - 続きを恵んでくださいッ! (2022年2月6日 19時) (レス) @page10 id: e77bb3532f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雄里 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時:2022年2月3日 20時