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あっという間に年月は経ち、三年生となった。
ついに来てしまった、夏油傑離反の年が…!!
うん、楽しかったなこの人生…思い通りにならない時もあったけど色んな人と出会えたし。
せめて離反の時まで残りの人生を楽しもうじゃないか。
それと彼とはここ数ヶ月会っていない。
というよりも、多分星漿体の一件から会えていない。
特級術師になったから、任務が忙しいようで会えないというメールが届く。
多分この辺りで後輩の死亡と双子ちゃんの一件が彼を待ち受けているはずだ。
もし……もし、今彼と出会って何か助言でも出来たら未来は変わるのかもしれないなーと思ってるけど、確か今は非術師が猿にしか見えない頃だから私と会っても嫌悪感を出されるに違いない。
ていうか、私ってこんなに後ろ向き思考だったかな。
前は結構前向き思考だったはずなんだけど……と思っていたその時、誰かにぶつかってしまった。
『あっ、すみませ』
「…あ、猿」
『誰が猿だコノヤロウ。人間皆遡れば猿よ』
ぶつかったのはまさかの夏油傑。
でも改めて真正面から猿、と言われると流石にこちらもムカつく。
私は強引に彼の手を掴み、近くの公園に行く。
どうせ殺されるなら、今のうちに言いたいこと言ってやろう。
女は度胸。当たって砕けろだ。
『ほら、やっぱりストレス抱えこんでるんでしょ』
「……」
『猿には口も聞きませんってか。あっそう…ならこっちは好き勝手言わせてもらうけど、そっちの界隈に相談出来る相手はいなかったの? 例の親友くんとか、同期の子や先生に』
だんまり。
まあ高専時代の五条悟に相談って微妙なラインだよな…でも、夜蛾だったかな。
夜蛾先生や家入硝子には話してもいいと思うけど…
『傑くんは真面目だから自分で悩みを解決しようとする。そんなところは美徳だとは思うけど、もう少し周りを頼ってみたら? 高専関係者以外なら私とか』
「君は、何も出来ない猿だろう」
『…確かに私は呪霊を見ることが出来ない、祓うことが出来ない、感じることも出来ないただの人間だよ……でも、小さい頃からずっと、君の傍にいた。君の気持ちを共感することは出来ないけど…理解しようと努力することは出来る。
高専に入って、傑くんがどんなことを経験してきたかなんて知りたいとは思わなくはないけど……人ってさ、誰かに心の声を吐き出すと、意外とスッキリするんだよ』
「………、」
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ぼんち - 迅さんがおるwww (2022年3月5日 16時) (レス) @page18 id: 96c1cb5508 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 完結おめでとうございます!!夏油さんが幸せになれて私も幸せです♡♡ (2022年3月2日 15時) (レス) @page19 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
たにし(プロフ) - おもしろすぎてすきですww (2022年2月11日 15時) (レス) id: 3384af27e7 (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - 傑の幼馴染とか需要しかないっす最高です!!!ギャグめっちゃ好きです面白いです!!特に五条との出会い方面白いです!!更新楽しみに待ってます!無理のないように頑張ってください!! (2022年2月6日 20時) (レス) @page11 id: f85de546f7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ - 続きを恵んでくださいッ! (2022年2月6日 19時) (レス) @page10 id: e77bb3532f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雄里 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時:2022年2月3日 20時