天寿をまっとうしたいので【夏油傑】

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どうして都内じゃないんだい？？？？
なんでそんな質問をされたのか分からず、情報が完結しない。これが噂のセルフ無量空処ってやつか。
だがここで馬鹿正直に「君から逃げるためだよ☆」なんて阿呆なこと言えないのでグッと堪える。





『え、えっとぉー、制服が可愛いし！』


「前、A都内の高校で制服が可愛いって言ってたのに？」




なんでそんなこと覚えてんだよ。
私言ったこと覚えてないのに。




『その高校よりも、こっちの高校の方が私が好きで』


「私はこの高校よりも、前言ってた高校の制服の方が似合うと思うけど」




なんなんですか、私に選ぶ権利はないんですか！？
落ち着け、落ち着け私。彼のペースに呑まれるな。
呑まれたら終わりだ。
幸せな生活の為にもここは私の意志を通さなければならない。




『傑くんには関係ないでしょ？ 私の選ぶ人生に口出しは』



「関係あるよ」



『えっ』



「Aはこれから先、ずっと私と一緒なんだ。高専の件は例外として、都内から居なくなるて許さないよ」



『 』




………え、もしかして私逃げられないフラグでも立ってる？？
なんでだ。どっかで選択肢でも間違え…いや、ゲームじゃないんだから選択肢なんてものは存在しない。

すると、彼は私の両腕を掴んで有無を言わせない笑みで迫ってきた。
その笑みには「県外には行かせねぇよ？」と書かれている。
アッ、これもう詰んだやつだ。





「それで、都内の高校に進学するよね？」



『ひゃ……ひゃい』






私のばァか───────！！！！








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