陸 ページ7
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五条悟と名乗ったこの男の発言的にその名前は呪術界隈では知られている名前らしい。
俺、今世は極力関わらないようにしてたから今世の呪術界隈についての知識は0にも等しい。
「僕最強なんだけどなぁ」
「最強?」
「そ、最強」
最強、か。
現代だと、この不審者セルフ目隠し野郎がそうなのか。
俺の時代だと俺と宿儺の二強だった、いや勝ったから俺が最強なのでは??
いつか宿儺見下してやろうと心に決めた時、俺は術式を使って宙に浮く。
「『開門』」
「これは…!」
そう唱えると、俺の頭上に門が開き宇宙空間が広がる。
俺の生得術式【天地概念呪法】は宇宙に存在する全てを概念として手中に収め、概念惑星として縮小したものを現すことが可能。
つまり、地球に縮小した惑星を持ってこれるというものだ。
「『夕星』」
その瞬間、宇宙空間にある夕星──現代で言う金星が降りてくる。
勿論そのままという訳にはいかず、手のひらの上に縮小した金星(概念)を収める。
「出力10%。死ぬなよ、現代最強」
「……!」
「打ち砕け」
そう言い放つと金星は数千本の矢となり、五条悟へ降り注ぐ。
一本一本が金星の質量から出来ている。
そして全て降り注ぎ、土煙が発生しその下には大きなクレーターが出来ていた、が。
「ちょっとちょっと、いくら何でもやりすぎじゃない? 無限が無かったら確実に死んでたね」
「……なるほど無下限呪法か! ハッ、そりゃあ有名にもなるか」
無下限呪法と六眼の抱き合わせは同世代には居なかったが、親世代にはいたしな。
領域展開をすれば叩けるけど、有能な呪術師を殺す訳にはいかない。
俺は術式を解除すると地面に降り立ち、五条悟も術式の応用で俺の傍に移動してきた。
「はぁ、なんで六眼なんて持って生まれちまったんだよ…」
「僕が最強である故にかな」
「………」
「その顔ヤメテ。なんか心にクるから。しっかし、伝承の書でしか知らなかったけど、まさかあの観勒飛輪と同じ名前で同じ術式を持ってるとは」
「伝承の書?」
「あれ、知らないの? 君のご先祖さまの観勒飛輪。呪いの王を封印した呪術界の英雄のことだ」
「へ、ヘェー。オレトオナジナマエガイルノカー」
嘘だろ。俺氏、まさかの英雄扱い。
今世の俺は呪術師でもない一般家庭に生まれた…が、観勒という苗字の時点で深堀しておけば良かった。
「んじゃ、単刀直入に言うけどさ」
「?」
「君、高専行き決定ね」
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きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - 術式のイメージがまさかのアンガルタで全私が泣いた。流石術式指パッチンの作者だよアンタ…! (1月15日 22時) (レス) @page8 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - ドストライクです。! (1月15日 7時) (レス) @page8 id: 808ea90ce0 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 面白過ぎました! (1月13日 23時) (レス) @page5 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yuri | 作者ホームページ:https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時:2024年1月13日 21時