糸師家長男はサッカーの才能を全て弟達に吸い取られた件【ブルーロック】

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そう言った冴の後ろ姿を見送り、両親が「寂しくなるわね〜」と雑談している中、俺は未だにジッと冴が歩いていった方向を見ている凛に声をかけた。



「…行っちゃったな」


「うん…でも冷兄ちゃんが居るから俺、寂しくないよ」


「りっ、凛〜！！」



ガバッと凛に抱きつく。
なんだよこの末っ子は。可愛いの化身か？
耳元で「ふへっ」と笑う凛を更によしよしする。

こりゃ世界一カッコ可愛い凄いサッカー選手になること間違いなしだな。
ファンクラブ出来たら絶対に一番になってやろう。
いいや、ファンクラブ第一号に俺はなる。



「それに、絶対に兄ちゃんに追いついてみせる。だから冷兄ちゃん、応援してね」


「勿論。頑張れよ、凛」


「うん！」



そして凛に手を繋がれて、車に乗り込み寮まで送ってもらった。
冴もスペインで頑張るんだ。俺も勉強や実習を頑張って早く一人前のトレーナーになろう。
凛も凛でサッカーに対して更に力を入れて、メキメキと成長していった。


たまに家に帰った時、凛としたら昔は「兄ちゃんとするサッカー楽しいから！」と言っていた凛でさえ、



「ここまで来たら冷兄ちゃんのは逆に才能だと思う」


「ｺﾛｼﾃ………ｺﾛｼﾃｪ……」



きっと精一杯俺を傷つけないように出来るだけオブラートに言ったんだろうけど俺とアクリルのハートは尽く砕け散った

末っ子にまでも言われる俺のサッカーの下手さ…！！
くそう…運動神経は良い方なのに、なんでサッカーだけは絶望的に出来ないのか。
多分今世紀最大の謎だ。



「でも俺、例え兄ちゃんがサッカーに嫌われてて一緒に出来なくても俺は冷兄ちゃんのこと大好きだから！」


「なみだでてきた」


お前は下げてから上げる天才かな？
そう。例え人からサッカーがド三流のドベでも弟からの好きという一言で俺はあと100年は生きていられる。





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