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俺の声に気が付いたのか、凛はバッと顔を上げて先程の殺気は何処へやら。
俺に縋るような目でこちらを見てきた。
「冷…兄ちゃ」
「怪我はないか? 痛いところは?」
「ぇ……ぁ、ない、よ」
「良かったぁぁ…」
この様子を見る限り、凛の中で悩みに悩んだことが爆発したんだろう。
凛は昔から冴と同じように自分の内側を声に出すのが苦手だったし。
また凛は俺が来たことで安心したのか、ギュッと抱きしめてきた。
「凛。俺、掃除機と箒貰ってくるから少し離れても」
「冷兄ちゃんも、俺を捨てるのか…?」
「捨てるわけないだろ(即答)」
突然変化球が飛んできて、思わず即答してしまった。
弟を捨てるなんて未来永劫あるものか。
「冷兄ちゃん…冷兄ちゃんは俺のこと捨てないで…っ」
「…捨てないよ。絶対に」
震えている凛の背中をポンポンと優しく叩き、安心させる。
そしてポツポツと聞かされた冴にとって凛はなんだったのか。
二人の心境を知っている俺としては凄い複雑な気持ちだ。
「じゃあ、凛はこれからどうしたい?」
「俺は…俺を捨てたあのクソ兄貴を殺す…! 俺の人生をめちゃくちゃにしたアイツをっ…アイツの夢を壊すために俺はサッカーを続ける」
お、oh......物騒。
お母ちゃん、お父ちゃん…我が家の弟達はとてもお口が悪くなったようです。
きっとこれは殺害云々の殺すじゃなくて、サッカーで殺すって意味なんだろうけど…サッカーで殺すってなんだ??
ごめんな、色んな意味でサッカーに弱い兄ちゃんで。
「そっか、それが凛の選んだ道なら俺から言うことは何も無いよ」
「…否定しないんだ」
「俺はね、何も真っ直ぐな道を進めとは言わないよ。寄り道、脇道、回り道してもそれも全て一つの道だ。今歩いている道を少し外れて歩いても凛の人生だからさ。
お前が歩くお前の
「本当に?」
「本当だよ」
「……やっぱり、冷兄ちゃんはバカだよ」
「やだ、凛ったらお兄ちゃんに辛辣」
でも、バカで結構。
それで弟たちの支えになれるのなら俺はバカでいい。
「よし、たまには冷兄ちゃんとサッカーするか!」
「冷兄ちゃんは練習相手にもならないからやだ」
「 」
冷兄ちゃんとサッカーするの楽しいから!と言ってた凛isどこ???
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ARy - 好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きすき家。死んでいいですか (2023年4月30日 21時) (レス) @page16 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 2コメ失礼します!!イメ画めちゃsukiです…カッコかわいい… (2023年3月22日 20時) (レス) id: 7b1be7f011 (このIDを非表示/違反報告)
ライキ - 「イタチっぽく言うな」がすっごく好きです‼ 面白そうな作品を見ると、大体Yuri様の作品でびっくりしていますw これからも応援しています‼ (2023年3月12日 14時) (レス) @page5 id: 917478dea8 (このIDを非表示/違反報告)
古鳥 - ハワワ…設定も文章もすっごく好きです!!イメ画もお上手ですね!コミュ強のお兄ちゃん、もしかするとブルーロックにトレーナーとして推薦が来たりするのでしょうか!?続きを正座待機!!! (2023年3月9日 23時) (レス) @page11 id: f74057ae4d (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - 死人三号DAZE☆ イメ画うめぇ、これからも更新待っときます✨ (2023年3月7日 22時) (レス) id: 366c5c0809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雄里 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時:2023年3月3日 21時