心機一転で髪切っただけなのに失恋したと勘違いされた話【青檻】

3. ページ4

.






「それで、どうしたんやその髪」



「最新話で最推しが死んじゃったので未練を断ち切る為に思い切って心機一転しただけです」



「なんやそんな事か。焦ったわぁ…めっちゃ似おてるで」



「今回は烏と同意。ほんま可愛ええよ」





イケメン二人に例えお世辞だとしてもド直球に言われると照れるな。
けどさっきの「は？」は滅茶苦茶怖かったです。


これが生関西人の圧ってやつか。
あと、そんな事とか言うな。私にとっては死活問題なんです。


そして関西人のお二人と楽しく立ち話をしていると、二人の方から潔君と蜂楽君が歩いてくるのが見えた。
「おーい」と声をかけると、潔くんが私に反応した。




「あ！Aさんやっと見つけ…え？」



「………髪、どうしたの？」



「お疲れサマンサー潔くん、蜂楽くん。よく気が付いてくれた。ちょっと今日、悲しいことがあったから髪切ってみたんだ」




「どうよ」とサラッと以前より断然短くなった髪を靡かせると、二人は固まったまま動かない。
…あ、あれー？ 思ってた反応と違うぞぅ？

私「わ！ 髪短くなってる！」みたいな反応期待してたのに。




「潔くん、蜂楽くん…？」



「………ちゃんが……した」



「え？」



「Aちゃんが失恋したぁぁぁ！！」



「ん！？！？」




なんのこっちゃ、と聞こうとしたが蜂楽君は廊下を叫びながら走って行く。

待って、と止めようとしたのも束の間。
ガシッと潔くんのゴツゴツした手が肩に置かれた。




「失恋…？ は？ 告白したのか、俺以外のヤツに…？」



「潔くん、目のハイライトどこやった？？ 脱獄なされた？」




いつもの優しい君はどこに行った。






.

4.→←2.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す