好きな人がいるのでと断ったのに、面倒なことになりました。【ブルーロック】

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「え、何これ…？」


「それはジャパンのミカゲという会社が作った超性能小型同時通訳イヤホンだ」




なにその革命的なイヤホンは。
日本で御影と言ったらあの総資産がとんでもないと聞いている会社しかないけど……凄いなぁ。

スマホの翻訳要らずだ。



「あ…すみません。私がドイツ語を喋れないし聞けないばかりに…こんな凄いものを…」


「なに、俺がお前と話したかっただけだからな」



はえー、イケメンは言うことまでイケメンなのか。
まあ、私には世一君というカッコイイ人がいるので特に落ちることはない。
すみません、顔面国宝の人。



「はぁ…それで私に何か…？」


「…首を傾げる行為さえクソ愛おしいな」


「今なにかおっしゃいましたか…？」


「いや、なんでもない。それよりも、まさかこんな所で会えるとは思ってもみなかった。俺の運命の人」


「うん！？ えっ、あれ？…私達、初対面ですよね？」


「ああ、対面は(・・・)な」



そう言うと彼は私の手を取り、またも手の甲にキスをした。
……………泣きわめいてやろうかな、マジで。

でも対面はってことは彼は私の事をどこかで知ったということ。
いつ知ったんだ？


「お前、この間のジャパンのU-20と青い監獄の奴らの試合に来ていただろ？」


「どうしてそれを…」


「全世界配信の中で見つけ、初めて一目惚れというのをした。付き合ってほしい」


「…！」



この人は本気で言っているのか、真剣な目で私を見て告白をしてきた。
ネス、と呼ばれていた人は「おめでとうございます」と拍手している。
全然おめでたくないです。

そもそもこの人の名前すら知らないし、私には潔世一くんという好きな人がいる。
押しに負けるな私！ ちゃんと断るんだ。



「私、好きな人がいるので…だからごめんなさい」


「それは新手のI love youか？」


「耳をどこかに落とされましたか？」


「そんな事を言って、本当は俺に嫉妬してもらいたいんだろ？」


「ﾁｷﾞｬｳ…ﾁｷﾞｬｳｯﾃﾊﾞﾖ」



助けて世一くん。




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