♛＿17. ページ17
.
雅は今、この状況をどうやって打破すべきか考えていた。
友人に復讐を誓った後、カイザーにイヤホンを渡され某大手コーヒーチェーン店のテラス席にて対面している。
雅がちびちび飲んでいる姿をうっとりとした顔で見ているカイザーに見惚れている女性が何人もいた。
イケメンは罪深い。
「…私を見てそんなに楽しいですか？」
「ああ。クソ可愛いお前を見て楽しくないわけがないだろう」
外人はサラッとそう言うこと言うから凄い。
しかし、雅は騙されない。
きっとそう言った発言をドイツの美女達にも言ってきたんだろうと。
正直雅は潔以外から甘ったるい台詞を言われようと、動揺はしなかった。
逆に今の発言を潔に言われたら椅子から転げ落ちて失神する。
「…それより、コーヒー奢ってくださって本当にありがとうございます。後でお金は返しますので…」
「そんなはした金を返される必要は無いし、雅の為だからな。それより本当にソレで良かったのか？ 」
カイザーは雅が今手に持っているエスプレッソマキアートを見ながら言った。
カイザーとしてはフラペチーノや限定商品等でも良かったのだが、雅はどうしてもコレがいいと言って譲らなかった。
「私実は甘いの苦手で、こういった苦い方がまだ好きなんです」
「意外だな。甘い物を好んでそうな顔だが」
「良く言われます。私こう見えて辛いのが好きなんですよ？」
「…！ それは更に意外だな。俺が惚れている女は俺の予想を遥かに超えていく」
「そうですかね…？」
「ああ。それに、俺がこんなに積極的に口説いているのに落ちない女も初めてだ」
「あはは…すみません」
例え目の前の男が顔面国宝級の超絶イケメンだろうと、雅は潔一筋だった。
これでも初恋を拗らせているのだ。
早々に折れることは無い。
「そう言えばミヒャエルさんはどうして日本に？」
「ああ、ジャパンに少し用があってな。それと、お前に会いに来た。だが、まさかあんなところで会えるとは俺も思わなかった。これはもう運命の再会だろ？」
運命っていうより偶然では？
雅はそう言いそうになったが、笑顔で『そうですかねー？』と返した。
「つれないな、雅は」
「すみません。私、好きな人一途なもので」
「なるほど、俺の事が好きだと。情熱的だな雅は」
「言ってませんけど？？」
前にもこのやり取りしたな、と雅は遠い目をした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1649人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん - 更新待ってる (1月2日 0時) (
レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
きむち - お話どタイプすぎます最高です。更新頑張ってください^_^ (2023年3月16日 12時) (レス) id: d0a8f1c067 (このIDを非表示/違反報告)
チビ黒帽子(プロフ) - Fate要素満載やしカイザーと世一がこれから漫画より殺伐とした関係になってくるのを期待してます！ (2023年2月15日 12時) (レス) @page29 id: 3cca07a536 (このIDを非表示/違反報告)
クロネコ(プロフ) - 更新された瞬間読みました！！次が楽しみすぎます 🥲 (2023年2月12日 13時) (レス) @page28 id: f505b755ef (このIDを非表示/違反報告)
ミルクチョコ(プロフ) - あの髪上げてる世一君いいですよね！わたしはその時死んでましたｗｗ (2023年2月3日 12時) (レス) @page24 id: 90f93b6301 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Yuri
| 作者ホームページ：https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時：2023年1月14日 19時
