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デンジ君と出会い、かなり日が経った。
練馬の方で公安のデビルハンターが戦ったり殺されたりで、辞めていった人間達も多い。
交友関係のあった姫野さんも死んだと聞かされた。
「そっか…姫野さん死んじゃったのか」
「うん。ルシちゃんは寂しい? 涙が出てるよ」
マキマから指摘されて、わたしは涙を流していることに気がついた。
こういうことは何回もあった。
『私』が耐えられない現実にあった時だ。
「…うん、寂しい」
そして今回の戦いで、デンジ君以外の武器人間──サムライソードが現れたりと中々大変なようだ。
また、今岸辺さんがデンジ君とパワーちゃんを鍛えているらしい。
新たな生贄が誕生してしまったな。
朝マンションから出て、公安の魔人用の部屋で天使君と共にオセロをしながら喋っていた。
あ、ここいける。
「そういえば、僕らに例の件に出撃要請がかかったらしいよ」
「例…ああ、岸辺が言ってたテロリストの制圧のことか。 僕らってことは、ビーム君や新人の暴力君とかも?」
「うん。めんどくさいなー…行きたくないなー…」
「わたしに言わないで岸辺に言いなよ」
「無理。ルシから言ってよ」
「無理」
わたしも岸辺に直談判なんてしたくないし、言ったら首折られるだけだし。
岸辺のおもちゃにだけはなりたくないから。
「キャキャ! ルシちゃん、ルシちゃん! おはよう!」
「おはよう、ビーム君。今日も無駄に元気だね」
サメの魔人のビーム君はこのように無駄に元気なところが取り柄だ。そして素直。
サメとしての知能的な問題なのか? とか思ったけど、それは本人にしか分からないからどうでもいい。
するとその時、ガチャっとドアが開かれて先程話題に上がっていた人物がいた。
「お前達、準備しろ」
「あれ、岸辺。出撃要請があったのって今日なの?」
「ああ。なるべく早くカタをつけたいからな。四十秒で支度しなかったら、頭吹き飛ばすぞ」
岸辺は物騒なドーラかな?
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作者名:Yuri | 作者ホームページ:https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時:2022年11月13日 1時