呪い祓ってたら、いつの間にかレベルMAXになってた

▼Lv.5 ページ5

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『げっ……直哉さん』


「おい今げっ言うたやろ」


『空耳では？』


「クソガキ、人の目ぇ見て言え」




多分この世で一番子供に教育が悪い人だと思う禪院直哉さん。
よく部下の人達がunkokuzuと言っているのを耳にするけど、全くもってその通りだと思う。




「で、甚壱くんに何の用なん？」


『えっと……昔、甚壱さんに似てる人に色々教えてもらったんです』




そう言うと、直哉さんが氷のように固まった。





「………そ、それ…口元に傷が」


『ありました。あれ、直哉さん知り合』





いなんですか、と言うとすると直哉さんが私の肩を強つ掴んできた。
えっ、えっ、もしかして地雷だったとか…？？





「おい」


『…なんですか』


「甚爾くんに会ったってほんまか！？」


『……誰？』






そこから直哉さんによるお兄さん──甚爾さんのお話を延々と聞かされた。
どうやらあのお兄さんはここの家の人らしく、前言ってた天与呪縛の関係で色々とあったらしい。

確か禪院家では「禪院家に非ずんば呪術師に非ず 呪術師に非ずんば人に非ず」という言葉を掲げてて、聞いた時は頭可笑しいんじゃないかなと思った。






「せや！！ この家のやつら、甚爾くんのことぜんっぜん理解してへん。してんのはAチャンくらいやわ」


『あの人いれば呪霊減りそうなのにね』


「ほんまにな！ まさかこんなところで同士に会えるとは思わんかったわ」






いや、そこまで同士って訳じゃないと思うけど……でも、直哉さんとの距離は縮まった気がする。
直哉さん自身はクソとクズを下水で煮込んだようなままだけど。





「ところで、色々ってどういう意味や」


『あ、たまに会った時体術とか呪霊についてとか教えてもらいました』


「なんやと！？ 甚爾くんに体術教えてもらったとか、羨死万死！！」


『えぇー……』





とりあえず、私は絶対にこの人のようにはならないと誓う。
反面教師として今後ともよろしくお願いします。







「ところで…なんでAチャン、この家来たん？ 当主目的、って訳やなさそうやし」


『……本当は嫌でしたけど…友達を二人、助けるために強くなる必要があったからです』


「ふぅん。オトモダチのために頑張るとか、アホやなぁ君」


『友達いなさそうな直哉さんに言われたくない』


「よぉーし、表出ろ！ ボコボコにしたる！！」





この後気配切りをして、勝利を勝ち取った。




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