呪い祓ってたら、いつの間にかレベルMAXになってた

▼Lv.29 ページ29

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冬は過ぎて春。
世間では別れと出会いの季節。
高専でも今年、一年生が二人入学してくるらしいけど、一人は遅れてくるらしい。






「一年生、どんな子が入ってきたんだろうね」


『私たちは任務でまだ会えてないから……憂太くんはどこか嬉しそうだね』


「うん！ 高校生になって初めての後輩だから…」


『でも呪術師って皆大体ガラ悪いから、ガン飛ばしてくるかもね』


「そ、そんなこと言わないでよAちゃん…！」


『あはは、ごめんごめん』




私達は四月に入ってから、特級としての任務で大忙しだったため新一年生に会えていない。
皆が言うには五条先生の秘蔵っ子らしいけど…大丈夫なのか、その子。




「あ、Aー、憂太ー任務おつかれー」


『あー！ 一人だけ任務サボってたまるでダメな教師。マダキョーだ』


「そんなこと言われても僕のハートは傷つかないよ」


『憂太さんよぉ、今から五条先生をボコボコにしちゃいましょうぜ？』


「Aちゃん、それ何キャラなの！？」


『Aちゃんじゃない。私はA13だ』


「どっからだしたのその銃！？ そもそもA13ってなに！？」






凄いね憂太くん。完璧なツッコミだ。
銃に関しては術式を使って私にだけ見えるステータス画面から呪具の取り出しが可能なんだよ。





「茶番はここまで！ 任務に行ってた君たちに紹介するね。こちら、僕の一番弟子の伏黒恵くんでぇーす！！」


「はじめまして。一年の伏黒恵です」




五条先生の後ろから現れたのは跳ねた黒髪をした男子。
本来なら私も自己紹介をしていた所だけど、そんなことより私はその男子──伏黒くんの顔から目を逸らせられなかった。





『……師匠…？』


「えっ？」


『…あ、私の知り合いに君に似てた人がいたからつい…不愉快な思いさせたらごめんね』


「…いえ、大丈夫です」


『なら良かった… 私は三年の神咒 A。よろしくね、伏黒くん』


「はい。よろしくお願いします。神咒先輩」


『──』




ま、まともだ…！






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