▼Lv.19 ページ19
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今日も今日とて呪いを祓って祓いまくっていたのだが、任務でしくじった。
禪院の方から来た嫌がらせの特級案件の任務。
その任務中、倒したと思ったら別の特級が現れて五感が全て奪われた。
なんとか五感が奪われる寸前で倒せたけど、呪力切れで弱体化解除も使えないし、ナビの声も聞こえない。
消滅と同時に呪いかけるとか意味わからん。
けど、ステータスは維持されたままだから強化された第六感を頼りに帳の外に出た、はず。
そして今回担当の補助監督だった伊地知さんの気配があるから近くにはいる。
『………ご、かんをうばわれました』
多分ちゃんと言えたはずだ。
自分の声も相手の声、顔も聞こえないから分からないけど。
それに今回の任務で血がめっちゃ出たからさすがにもう限界だ。
私は暗闇の中、意識を落とした。
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『………知ってる天井だ』
パチっと目を開けると、五感も元に戻っていて視界には高専にある医務室の天井が目に入った。
硝子さんの反転術式か、時間経過による解除かは分からないけど、取り敢えず思ったことはただ一つ。
『ま、マジで死ぬかと思った…』
まるで師匠×2(たまに直哉さん)を相手にしていた気分だった。
どこからあんなゴリラな呪霊が現れるんだよ…ゴリラの呪いか??
そう思っていると、左手が誰かに握られている感覚がした。
「……、………、」
『憂太くん…』
ベットの脇で、床に座り目元を赤くして眠っている憂太くんがいた。
泣いてくれたの、かな。
私は起き上がり、さすがにこの体制はキツいと思うから憂太くんを起こす。
『憂太くん、起きて』
「ん……A、ちゃ……ぁ、Aちゃん!!!」
『そんなに大声出さなくて、もっ』
憂太くんは起き上がると、バッと私に抱きついてきた。
抱きついてきた憂太くんの体は震えていて、凄く心配してくれたのが分かる。
「Aちゃんが、このまま目を覚まさないで死んじゃうと思って…すごい、こわかった」
『……うん』
「僕はAちゃんを失いたくない…! 寂しくて辛い思いはもう嫌なんだ……お願いだから、もう…無理しないで」
『…うん。もう、無理しないよ』
「絶対だからね」
『分かってるよ、もう。ねぇ憂太くん、私うさぎりんご食べたい』
「…! あはは、相変わらず好きだね」
『可愛くて美味しいとか最高だもん』
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夜空(プロフ) - 面白いっす。更新続けて欲しいです。 (2022年12月17日 9時) (レス) @page31 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - 無敵貫通ってもしかして某聖杯探索物語だったりしますか((( (2022年2月14日 0時) (レス) @page12 id: 3710a3b12b (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - めちゃ面白いです!すごく好きす!更新頑張って! (2022年1月31日 22時) (レス) id: cc856e48b6 (このIDを非表示/違反報告)
夜四季 星羅(プロフ) - ナビのたまに出す可愛らしいところが大好きです!更新楽しみにしています! (2022年1月31日 18時) (レス) id: 24f70973da (このIDを非表示/違反報告)
遊馬雄里(プロフ) - ツバメさん» コメントありがとうございます。パパ黒は原作通り五条先生にやられたので出てきても回想くらいです。なのでリクエストにはお応えできません。本当にすみません (2022年1月31日 18時) (レス) id: fd01452b84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雄里 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時:2022年1月21日 11時