呪い祓ってたら、いつの間にかレベルMAXになってた

▼Lv.1 ページ1

.






小さい頃から変なものが見えていた。
それは呪いという人から生まれたものらしい。


それを教えてくれたのは、口元に傷があり大人の女の人が言う凛々しい雄っぱいを持ったカッケェ人からだ。
あのお兄さんは呪いが見えないらしいけど、感知することが出来るらしい。


それもう人間の範疇超えてると思う、と言えば天与呪縛とかいう生まれつき迷惑な呪いをかけられているらしい。
専門用語はよく分からない。









「いいか、呪いってのは呪いでしか祓えねぇ。お前には術式があっから、呪い祓えるだろ」


『あの虫みたいなやつ？』


「あー、そうだな。それでコツコツやって行けば、お前もそれなりに強くなるだろ」


『了解であります、師匠』


「誰が師匠だ」









たまに出会えば、体術を教えてくれたし、知らないことを色々と教えてくれた。名前は教えてくれなかったけど。
でもいつの日か会えなくなって、多分仕事が忙しいのだろうと思っていた。

会えなくなっても、私は呪い──呪霊を祓いまくった。
するとレベルがピコンと変わり、脳内に声が伝わる。




〖▼Aはレベル5になった。新たなスキル 攻撃力アップを獲得出来ますが、どうしますか？〗




こんな風に。
私はこの術式を身体向上(ステータス)と名づけ、天の声みたいなのはナビと呼ぶことにした。
なんかたまにナビゲーションしてくれるから。


月日が経ち、私に祓えない呪霊はいない！ と思ってナビの忠告を無視し、調子に乗って幼なじみに憑いている親友が呪いとなった姿を祓おうと思ったら逆にやられた。無念。


多分師匠がいたら「手を出す領域が違う」ってゲンコツ喰らうな。だってナビにも言われたから。
そこで私は親友──里香ちゃんを憂太くんから祓うために頑張った。


そもそも、あれは里香ちゃんであって里香ちゃんじゃないと思う。
呪いって負の感情から出来るのに、どうして里香ちゃんが大好きな憂太くんを呪う必要があるのか。


前に愛と呪いは紙一重って聞いた事があるけど、そんな感じなのかな。
いつものように憂太くんと呪いの里香ちゃんと遊び、呪霊を祓う毎日を繰り返していると、家にアニメでしか見ないような長い髭のじいちゃんがやってきた。






「神咒Aを禪院家の養子にする」






………何言ってるんだろうこの人。








.

▼Lv.2→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す